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ストロングロフト時代のウェッジ選び #3 バンカー、グリーン周り…苦手を解消する“専用の1本”を加えてみよう

ウェッジセッティングはロフトを揃えて番手を並べればOKというわけではない。スコアメイクに重要な「もうひと工夫」を考えよう。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tadashi Anezaki、Tomoya Nomura、Blue Sky Photos

解説/竹本直哉

1976年生まれ。ツアー参戦経験を生かし、東京・東大井でスウィング、クラブ両面をケアする「ゴルフクラフト ユーワールド」を主宰

ロフトを揃えて終わりではもったいない

アイアンセット主体がいいと言う竹本プロだが、単にロフト・距離の階段を作るだけでなく、明確な用途を持った“専用の一本”を加えることでよりゴルフがラクになるとも話す。

「例えば、バンカーが苦手ならワイドソールのバンカー専用ウェッジを1本入れるとか、ホームコースでよく残る距離があるならその距離をピッタリ打てる番手を入れるのもいいでしょう。これはショット用とは限らず、他のウェッジとロフトがかぶってもいい。大事なのは用途を明確にすること。ナイスショット率が低い200ヤード前後のUTやFWよりもスコアメイクには役立つはずです」

自分のゴルフに必要なものを分析して投入を検討しよう

CASE1
バンカーなどの苦手対策クラブ

苦手をカバーする「お助けクラブ」はスコアメイクに非常に有効。バンカーが苦手なら「バンカー専用」を謳うお助けウェッジやワイドソールのウェッジ、アプローチのザックリが多いならチッパーも有効だ。


CASE2
球を上げやすい多ロフトウェッジ

ホームコースに砲台グリーンが多いなど、球を上げるアプローチを多用するなら60度などの多ロフトウェッジは有効。ショット用ではなくアプローチ専用と割り切ろう。

CASE3
特定の距離を打ちやすい一本

苦手な距離やパー5の3打目によく残る距離など、特定の距離を気持ちよく打てる一本を入れるのもおすすめ。前ページで紹介したような使い慣れたPWなどでもいいだろう。

ロフト間隔は揃わなくてOK!

専用ウェッジや特定の距離を打ちたいウェッジを入れる場合などは、ベースとなるセッティングの中のウェッジとロフトがかぶったり近くても気にしない。ロフトも飛距離も等間隔に揃える必要はなく、それぞれが用途と目的、打ちたい距離を持った1本1本の組み合わせがセットになると考えよう

ロフトの数字だけで揃えるのは危険だ!

試打/伊丹大介

1976年生まれ。東北福祉大ゴルフ部出身。品川の「サウスゴルフアカデミー」でスーパーバイザーを務める

ウェッジセッティングを考える際、どのロフトで何ヤード打てるのかがピンとこないので、どうしてもロフト間隔を揃えて満足しがち。そこで、ヘッド速度(HS)別にそれぞれのロフトで何ヤード打てるかの早見表を作るべく、伊丹大介プロが、HSを変えてロフト別で試打し、データを取った。

その結果から導き出したのが下の表だが、試打してくれた伊丹プロはむしろロフト選びの難しさが浮き彫りになったと話す。

「この数値はあくまで”期待値”で、試打結果が実際にこの数字に揃ったわけではないんです。というのも、僕らプロが打ってもわずかな入射角やインパクトロフトのズレ、ソールの当たり方によって距離もスピンも大きなバラつきが出ました。ましてアマチュアの場合、HS速度も軌道も揃わないし打点もズレる。さらに言えば、ウェッジの個体差によるリアルロフトの差まで影響してしまいます。このブレは、ロフトが多く、HSが遅いほど顕著でしたし、58度以上ではショットでは本当に距離の差が出にくい。ですので、この表はあくまで『こういう傾向が出るのか』という参考程度に考えてください。大事なのは、ロフトの数字だけを見ずに実際に打って選ぶこと。買った後にロフト調節をして打ちたい距離が出るように整えることも重要かもしれませんね」(伊丹)

<ヘッドスピード別ロフト・距離早見表>

HS46m/sHS43m/sHS40m/sHS37m/s
46度115Y105Y98Y90Y
48度109Y100Y93Y86Y
50度104Y95Y89Y83Y
52度99Y91Y85Y80Y
54度94Y87Y82Y77Y
56度89Y83Y80Y66Y
58度84Y73Y66Y64Y
60度80Y66Y65Y63Y
ヘッド速度やインパクトロフトを揃えて試打した複数の試打結果から、「理想的と思われる期待値」を算出し、誤差を整えた

低ヘッド速度、多ロフトほどロフト間の距離の差が出にくいことがわかる。多ロフト帯で突然飛ばなくなり距離の差が出なくなるのは、フェースに球が乗らずに滑る現象が起こるから。これも低ヘッド速度ほど顕著。

「打ちたい距離」を打つにはロフト調整もおすすめ

ウェッジには個体差もあり、同じロフトでもバウンスによって飛距離は変わる。打ちたい距離の階段を作るには、ぜひロフト調整をしたい

月刊ゴルフダイジェスト2023年2月号より