ストロングロフト時代のウェッジ選び #2 昔のお気に入りPWを「100Y用」に入れるのも手
プロのようなウェッジ4~5本セッティングはアマチュアにはおすすめできないと竹本直哉プロ。アマチュアはどのように選べばいい?
TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tadashi Anezaki、Tomoya Nomura、Blue Sky Photos
- アイアンのストロングロフト化がさらに進み、プロモデルでさえロフトが立ちつつある昨今、ウェッジセッティングをどう組み立てていけば良いのか。いまどきのアイアン事情をベースに考えた! TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tadashi Anezaki、Tomoya Nomura、Blue Sky Photos 今シーズン後半戦、石川遼はアイアンセットのPWを抜いて43……
解説/竹本直哉
1976年生まれ。ツアー参戦経験を生かし、東京・東大井でスウィング、クラブ両面をケアする「ゴルフクラフト ユーワールド」を主宰
アプローチ用かフルショット用かを考える
こういったアイアンの「下への拡大」を考慮したうえで、アマチュアはキャディバッグの中のウェッジをどう組み合わせればいいのか、引き続き竹本プロに聞いた。
「もちろん使っているアイアンによるので、まずは自分のアイアンのPWのロフトを確認することが大前提。そのうえでスタンダードとなるのがPWの下にアイアンセットの『A』や『U』など“第2のPW”を足し、その下に単品ウェッジを2本入れるというセッティングでしょう。これで100ヤード前後のショットの安定感がアップするはずです」(竹本)
特別ロフトの立った“激飛び系”ではない、PWのロフトが43~46度くらいのアイアンならまずはこれをベースに考えるべきだろうと竹本プロ。そのうえで、“第2のPW”が担当する100ヤード前後の距離でフルショットだけでなくコントロールショットを多用する中上級者なら、ここをロフト48~50度くらいの単品ウェッジにする選択もアリだ。
「もし、以前使っていたロフト多めのアイアンセットで、自信を持って100ヤードくらいを打てる“なじみのPW”があるなら、それを“第2のPW”として使うのもいいと思います。古めの軟鉄鍛造キャビティなどは、いまどきの飛びキャビと比べるとアイアンとウェッジの中間のようなフィーリングですし、使い慣れている安心感もあるなら理想的です」(竹本)
そしてPWのロフトが40度を切るような激飛び系アイアンを使っている場合は、Aなどの“第2のPW”の下に、同じアイアンセットのASといった“第3のPW”を入れるのがおすすめ。激飛び系アイアンを使うゴルファーの多くは、この”第3のPW”もフルショット専用のはずだ。
「大事なのは、このゾーンを担当するPWとAWの中間的なクラブが自分にとってフルショット用のクラブ=アイアンなのか、アプローチやコントロールでも多用するクラブ=ウェッジなのかを考えてモデル選びをすることです。その番手にどんな機能を求めているかを考えれば、どちらがいいかがわかるはずです」(竹本)
「何を求めているか」で組み合わせは変わる
CASE1
「第2のPW」を入れる
従来のPWの下の番手の用途がほぼフルショット専用なら、ここにアイアンセットの“第2のPW”を入れることで100Y前後のフルショットの安定感がアップ。
例)ピン「i230」U(50度)
CASE2
上級者向けの「単品3本」
PWの下の番手をアプローチで多用したり、距離感やスピン量などのコントロールをして打ちたい人は、セットものよりも単品ウェッジ3本セッティングがいい。
例)フォーティーン「RMα」(48度)
CASE3
「エクストラPW」を追加
以前使っていた軟鉄鍛造セミキャビアイアンなどのPWだけを新PWの下に入れる。使い慣れている安心感と、アイアンとウェッジの中間的フィーリングが生きる。
例)ブリヂストン「ツアーステージ Xブレード703」
CASE4
超飛び系を使っている人
激飛び系アイアンの場合、「第2のPW」を入れてもウェッジとのロフト間隔が開く。そこを埋めるのはアイアンセットの「第3のPW」をベースに考えよう。
例)インプレス「ドライブスター」AS(48度)
その番手を使う場面を想定しよう
ウェッジをどんなモデル・ロフトで組むかは、それぞれの番手をどんな場面で使うかを想定することが大事だと竹本プロ。「ウェッジに限りませんが、いまバッグに入っている番手を、どこでどう使ったかを思い出すことから始めましょう」
- ウェッジセッティングはロフトを揃えて番手を並べればOKというわけではない。スコアメイクに重要な「もうひと工夫」を考えよう。 TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tadashi Anezaki、Tomoya Nomura、Blue Sky Photos 解説/竹本直哉 1976年生まれ。ツアー参戦経験……
月刊ゴルフダイジェスト2023年2月号より