「まるで100年前のスコットランド!」 五島列島にある2つの“手造りリンクス”が本格的すぎる
長崎県五島列島、北端の2つの島にある「日本のリンクス」にテレビカメラが入った。
その2島とは、小値賀(おぢか)島と宇久(うく)島。小値賀島は周囲約30km、人口約2500人、独立心が強い島民性で市町村合併もしていない。島全体が西海国立公園に指定され、09年には“日本で最も美しい村”のひとつに選ばれている。
そんな同島の断崖絶壁にあるコースは「浜崎鼻ゴルフ場」で、5ホール(1053Y・P18)、4回まわってパー72にするという。牛の放牧場だったところを有志による手造りで完成させたのは1976年のことだった。人工物は手製のピンとOBの白杭だけだ。
一方、宇久島は周囲40km、人口約2000人。壇ノ浦の戦いに敗れた平家盛が、安住の地を求めてたどり着いたというロマンに満ちた島。島民性は穏健・温厚という。この地に造られた「平原ゴルフ場」は広々とした草原に9ホール(2353Y・P34)と本格的。海越えパー3が2ホールもあり、豪快そのもの。ここも牛の放牧地だった。しかし、今は牛も少なくなり、芝を刈るのは人の手だ。芝は姫高麗の原種で散水は不要。英国のリンクスと全く同じである。
この両島のゴルフ場を柱に島民の生活などを紹介し、離島の活性化の起爆剤になればと、長崎文化放送(TV朝日系)とBS11で共同制作。出演は全英オープンを5回制覇したピーター・トムソンの子息、アンドリュー・トムソンと沖縄出身の女子プロ、諸見里しのぶ。アンドリューは豪州国会議員を経て、現在国際弁護士。ニッカーボッカーをはき、ヒッコリークラブでプレーする。4年前、初めて小値賀島を訪れていっぺんで気に入り、その日に浜崎鼻ゴルフ場の会員となった。平原ゴルフ場は「100年前の全英オープンでプレーしている気分」と感嘆する。
移住者や、ゴルファー、観光客増加の一助になれば幸いだろう。
週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より
こちらもチェック!
- 「ゴルフは18ホール」という常識は昔の話? 9ホールプレーが世界中で広がりつつある。 ハンディキャップ申請のために9ホールでスコア登録をしたゴルファーは、イングランドでは19年に17万5000人だったのに対し、21年には40万7000人に増加。スコットランドでは18年は4万4834人だったが、現在はその3倍強。アイルランドでもここ3年で倍増している。英国だけではない。オーストラリアでは、……
- 気温も上がり、いよいよ本格的なゴルフシーズンが到来。落ち着いた雰囲気の林間コースもいいが、たまにはPGAツアーの舞台のような戦略性に富むコースにトライしてみるのも一興。そこで今回は、PGAツアーの舞台も数多く設計している“奇才”と呼ばれる設計家3人が手掛けたコースを紹介。まずは、アメリカのミッションヒルズCCなどを設計したデズモンド・ミュアヘッドのコースから。 PHOTO/Hiroaki ……