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【ヤマランドニッポン】Vol.48 かつて女子OPも開催。北海道屈指の難関コース「樽前CC」

名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、北海道の「樽前CC」をご紹介!

PHOTO/Hiroyuki Okazawa TEXT/Mika Kawano

クラブハウスからは、広大な大地に広がる美しい池の先に雄大な樽前山を望める

上田治設計のチャンピオンコース

北海道、道央南部。支笏湖のある苫小牧市の北西に位置する活火山・樽前山。その南山麓の高原にいかにも北海道らしくダイナミックで雄大なコースがある。名匠・上田治が設計を手掛けた樽前カントリークラブである。

日本が好景気に沸いた1961年、苫小牧港が建設されたのと同じ頃ゴルフ場の造成がスタート。63年に開場の日を迎えた。当時は上田の設計による南コースと中コース18ホールだったが80年に北コースが追加され現在27ホールとなっている。

35万坪の広大な敷地に展開するコースはとにかく距離が長い。初期から全長7000ヤードを超えていたのだからそのスケールたるや群を抜いている。07年に日本女子オープンが開催され諸見里しのぶが優勝しているが、試合で使われた南・中コースのコースレートはホワイトティーでも71.2。ツワモノ揃いの道内でも難易度は10本の指に入る。だがフェアウェイは広くフラットでOBはほとんど気にならない。樽前山に向かって、あるいは山を背に豪快なショットを放っていくことができる。

池の縁に佇むクラシカルなクラブハウスからは山だけでなく遥か太平洋を望むことも。建物の雰囲気も北の大地らしい。降雪量が少ないため札幌近郊のコースがクローズの時期も営業していることが多い。

南ホール2番、400ヤードのパー4。グリーンから振り返ると、北海道らしい広々とした空の中に樽前山がそびえる

樽前CC
27H・10821Y・P108

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より