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異常気象による被害相次ぐ。ゴルフ場は持続可能か

近年、異常気象によるゴルフ場の被害が急増している。

7月上旬の台風による豪雨は、先日報道された熱海での土石流など、甚大な被害をもたらしたが、実は付近のゴルフ場や、三島市などのコースでも崩落が発生し、復旧工事に追われているという。

そして8月中旬、全国に居座る低気圧による大雨もまた、ゴルフ場に被害をもたらすのでは……との予想のなか、第一報が入ってしまった。

長野県にある塩嶺CC。コース内冠水のほか、2カ所で崖崩れが起こったため、カート道路が崩落。バンカーの砂はほとんど流された。また塩尻方面から同CCに向かう道路で土砂崩れが起こり、電柱などが倒れ、一時、アクセスが困難になったという。

この状況を同CC支配人村上富雄氏は次のように話す。「経験したことのないほどの大雨でしたが、人災がなかったのは、不幸中の幸いといったところでした。クローズも3日間で済みました。しばらくは3コースあるうち2コースで営業します。復旧工事の費用に関しては、まだ工事会社と詰めてはいませんが、1カ所につき1000万円くらいかかりそうです」

静岡県で復旧工事中のコースに聞くと、修繕代金でいちばん高価なのはカート道路だという。アスファルトは1メートル5000円、コンクリートの場合だと、さらに高い7500円かかるとのこと。

「今後も温暖化は確実に進み、気温上昇によるゴルフ場経営のコストは上がっていくでしょう。豪雨によるコース内の崩落リスクに加え、逆に降雨がないときは芝育成のための散水がより必要になることも予想されます。ゴルフ人口の減少に加え、ゴルフ場経営は、今後これらリスクを背負うことになると予想されます」(ゴルフ場経営コンサルタント・菊地英樹氏)

ゴルフ場業界もSDGs(持続可能な開発目標)を本気で考えなければならない時期に来ている。

大雨による影響が痛々しい塩嶺CC。早期の復旧が望まれる

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月7日号より

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