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【ゴルフ野性塾】Vol.1750「自分では分らぬのが己の癖」

古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。

前回のお話はこちら

窓の外は曇り空。
赤坂けやき通り

15階から眺める東の山も南の山も低い雲に包まれています。
女房殿と私の室内快適温度は大きく違う。
冷房の温度、女房の望む温度は25度。
私は29度だ。
この4度の違いは共に旅した時に困る。
女房殿の好みの温度は旅館でもホテルでも1度違う。
海外の旅ではホテルの部屋の設定温度は女房好みの温度、25度だ。
私は日本では3度、海外では4度違う。
だから夏の旅、同じ部屋で過すにはどちらかの我慢が必要となって来る。

結婚後の最初の旅、女房殿が我慢した。
私は汗ひとつかいていないのに女房殿は首筋から汗を流していた。
暑さへの我慢が簡単か、寒さへの我慢が簡単かは寒さへの我慢が凌ぎ易いと思う。
だから私は2度目の旅行以降、旅先の室内温度には触らない様にした。
ただ、年取れば25度26度の室内温度には我慢出来ない様になって来た。
それで部屋を2つ取って女房殿と私は別々に過す事にした。
そりゃヨーロッパの大都市のホテル代は1泊7万の処もある。
そんな時は一緒に寝泊りしたが、ベッドは常にツイン。
1つのベッドで眠れば、隣に眠る私の体温で女房殿は汗かいた。
そして、私の汗で体が冷えて体調を崩したのも部屋を2つ取る理由の一つだった。
お金のない時は我慢したが世間並みの生活出来る様になった時から1年に1度の夫婦の旅、2つの部屋で過した。
イギリスではB&Bに泊った。しかし、他の国にB&Bはなかった。
25度と29度の違いは大きかった。
雅樹が生れ、寛子が生れ、家族4人の国内旅行と海外旅行、2人は女房殿と同じ部屋で過した。
私は汗をかきながら眠るのが好きだった。汗はかいたが暑いとは思わなかった。
夏、冷房を消して眠った事もある。
私は試合で出したコースレコードを2つ持っているが、前日の夜、たっぷりの汗をかいて眠った事を想い出した。
私のシーツはすごく濡れていた。
もっと早く気付けばと思うが、遅過ぎた。

昨夜は気温が上っていた。
それでも冷房は付けずに眠った。
私が熱中症になる事はないと思う。
私は暑さに強いのです。
そして、女房殿は暑さに弱い。
結婚して47年になるが、フッと想い出した部屋の温度であった。
15階の居間の室内温度は25度設定だ。
女房殿が自分の部屋や洗面所から居間に来ると暑いと叫ぶ。
私は冷房効き過ぎと思っているのにだ。
私は室内温度に我慢して来た。
47年の生活、私が我慢して来たのはそこだけである。
女房殿の我慢は沢山ある様だが、私はそこに触らぬし、女房殿も口に出すのは余程の時だけ。
3年に1度か、5年に1度か。
平和です。
それでは来週。

練習場のプロに良き癖を見つけて貰え。

ゴルフ仲間に練習場シングルと言われています。練習場では10発打って7~8発はいい当たりが出るのに、コースに行くと、その2~3発のミスばかりが出る感じです。練習場とコースでは、なぜあんなにナイスショットの確率が変わるのでしょうか。どうすれば練習場のショットをコースでも打てるようになりますか。(福岡県・伊藤勇真・36歳・ゴルフ歴7年・平均スコア95)


7年、ゴルフクラブを振り続けて来たのならば良き癖と悪き癖が生じていると思う。
24歳でゴルフを知り、3年と11カ月でプロテストに通ったが、私も癖は持っていた。
ただ、良き癖か悪い癖かの判断は出来なかった。
己のスウィングに癖が生じている事だけが認識出来ていただけだった。
良き癖は現状維持か、伸ばして行けばいい。
己の癖は愛すべきものと私は考えた。癖を嫌うよりは愛した方がいいと思った。
癖は変化するものだ。
ゴルフ始めた時からゴルフ辞める時迄、変らぬ癖はないと思う。
ならば現状維持のまま、少しずつの変化に期待するか、癖の良き部分に手を加えれば良いのです。
その為には己の癖を愛した方がいい。

頑固は必要ない。
妥協が必要だ。
変化を期待するには妥協の力が必要と私は考える。
妥協は体・技・心の中の心の部分多く持つと思うが、妥協は悪しき癖ではない。
妥協も心の中に宿る大切な資質と思う。
己を愛せよ、己を信じよと言うが、妥協の力なしで愛する事も信じる事も出来ないのではないかと考える。
この事はジュニア塾生と進化論塾生の指導の中で気付いた事である。

良き癖か、貴兄のスウィングの無用の癖を指摘してくれる人を探さねばならぬと思う。
自分では分らぬ己の癖である。
指導が要る。
そして良き癖を伸ばす手段を持つ人が要る。
悪しき癖には触らぬ方がいい。
悪しき癖の修正は難しい。
悪しき癖触れる程に頑固さを強める。
ならば無視した方がいい。
悪しき癖への対応には妥協が必要と思う。

貴兄は悪しき癖に囚われているのではないかと思う。
練習場での自信は持っておられる。
その自信がコースでは反転している。自信が不安に変っている様な気はする。
己の良き癖を知るは必要。
己を知るは己の癖を知る事に繋がると思う。

貴兄は練習場所属のレッスンプロに見て貰った方がいい。
良き癖と悪しき癖の見分けには経験が要る。
多くのレッスンプロは悪しき癖を見る。
それでは駄目だ。
良き癖を見抜くレッスン眼力を持つ者は固定化されたゴルフ理論で指導する事はない。
人それぞれの考えを持つ者を探せばいい。
それで貴兄のゴルフは変ると思う。
勿論、シングルプレーヤーでも見分けの眼力持つ方はおられる。
そして、その方と出会えたならば幸運だ。
練習場へ行って下さい。

坂田信弘

昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月4日号より