【ゴルフせんとや生まれけむ】勝間和代<前編>「私も70台で回る! そう決めています」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回からの語り手は、経済評論家の勝間和代氏。
ゴルフを始めたのは12年前。大学の同窓会の幹事をしていて、寄付集めのゴルフコンペを計画したら、幹事でゴルフをしないのは私だけだったんです。じゃあやるかと(笑)。それまでスキーやスカッシュに夢中で、ゴルフは「止まっている球を打って面白いの?」くらいの感覚でした。だからあまり熱心じゃなくて初ラウンドは160くらい叩きました。
でも翌年、スカッシュのプレー中に骨折し、年齢的にもスカッシュは厳しいなと思って、それから本格的に始めたんです。コースに出るたびにスコアが10打ずつ縮まりましたが、それが120でピタリと止まった。「なんで?」と友達に聞いたら「だって、ここまでは球を手で動かしていたでしょう。120になったらノータッチだからそうはいかないわよ」って(笑)。
ここで初めて佐久間馨プロにレッスンを受けたんです。書店でレッスン本を20~30冊、速読で立ち読みして、佐久間プロの理論が一番納得できたから。佐久間プロからは、スウィングはもちろんマネジメントを教えてもらって、それで100が切れた。そしたら秋元康さんに「100を切る本を出したら」と言われて書いたのが『120の腕前なのに80台で回る 勝間和代の頭だけで100を切るゴルフ』です。
で、書いたらモチベーションが止まった。100で回れると、友人とラウンドするのに何も困らないでしょう。迷惑かけないし、競技に出るわけじゃないから。ところが3年前に友人から「100で回れる試合があるから出ない?」と誘われてダブルスの試合に出たんです。彼女は90前後のレベル、私は100前後。それでダブルスでスクランブルのスコアが84だったのにドンベだった。みんな普通に70台で回ってくるんです。このとき初めて、すごく上手な女子を見た。同時に友人に迷惑をかけたなと思って。私、自分のためには頑張らないけど、人のためには頑張れるタイプなんで、人のためにもう少し勉強しようと、再び週イチでレッスンを受けるようになって。
次のダブルスの試合は78で予選を通過、スクランブルだと80を切れるようになり、最近は70台の人たちと回るようになって、私も70台で回る仲間になるんだと決めて練習しています。70台で回る女性は120ヤードからのミスがほとんどない。ミスをしても10回に1回くらいなんで、そこがいまの私の目標ですね。現在までのベストスコアは81です。
というわけで10年間やってわかったのは、ゴルフは語学の勉強に近いってこと。語学もいくつかの単語や文法を知っているだけでは喋れない。頭で何を話そうかと考えているうちはダメね。シングルの人はTOEIC800くらいかな。私は、意味は通じるけど、まだ言葉が口をついて出るレベルにはちょっと届いていないから、もう少し頑張らないと。あと、上手くなるにはミスショットを減らさないといけないこともわかりました。ミスの多くはフェースに当たっていないんです。フェースに当たれば、球はそこそこ飛んでくれる。当てるための工夫? それをいま真剣に研究中です。
勝間和代
1968年生まれ。経済評論家。著述家。プロ雀士。慶應義塾大学商学部卒。『お金は銀行に預けるな』(光文社)『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』(角川書店)『120の腕前なのに80台で回る 勝間和代の頭だけで100を切るゴルフ』(同)など著書多数。東京都出身
週刊ゴルフダイジェスト2022年9月27日号より