【ゴルフせんとや生まれけむ】ドロンズ石本<後編>「柴田恭兵さんを助手席にコースへ!」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続きお笑い芸人のドロンズ石本氏。
今から11年前、2011年秋から冬にかけて、僕は「南極大陸」というTBSのドラマに出演させていただきました。南極越冬隊の奮闘を描いたドラマで、当時大きな話題になったので覚えている方も多いのではないでしょうか。何しろ出演者がすごかった。柴田恭兵さん、木村拓哉さん、緒形直人さんなどなど日本を代表する俳優さんが顔を揃えていたんですから。その中になんと僕が(笑)!
ちなみに、柴田さん、木村さん、緒形さんの3人の共通点は大のゴルフ好きということ。おかげで何度か誘ってもらって4人でプレーする機会がありました。木村さんは「日本一の負けず嫌い」とご本人が認めていましたが、プライベートのゴルフでも、まず、どんな状況でも諦めることがないんです。バンカーからチップインバーディとか、とんでもない長い距離のパットを決めるとかビックリさせられるようなプレーが出る。それを見るたびにスターは違うなあ、いつどこでもどんな場合でも輝く、そんな星の下に生まれているんだと思いましたね。
緒形さんは僕が「東日本一接待がうまい俳優」と名づけたほど究極の気遣いの人。僕がどんなミスショットをしても「音が良かった」とか「方向が良いよね」と、ぜーんぶ褒めてくれるんですよ。今、僕が仲間と回るとき、とにかく相手を褒めまくるのはその経験があるからなんです。褒められて悪い気持ちになる人なんていませんよね。
さて、木村さんも緒形さんも大スターですけど、僕にとってスターの中のスター、スーパースターが柴田さん。子どもの頃に憧れた「あぶない刑事」のあの柴田恭兵さんです。そんな人と一緒にゴルフができるなんて、今思い出しても本当に夢のような話でした。柴田さんはゴルフが上手なことでもよく知られていますが、その頃も80台前半で回っていました。本当に格好良かったですよ。一度、ラウンドの前、柴田さんから「たけし、家まで迎えに来てくれるか」と言われたことがあるんです。その頃、僕は2人乗りの小さくてボロボロの車に乗っていまして(笑)。そんな車にスーパースターを乗せるなんて、と躊躇したのですが、柴田さんは「いいよー」と。コースに着くまでずっと初心者の僕に打ち方のアドバイスをしてくれました。そして、プレーが始まったんですけど、僕は「柴田さんに教えてもらったことを生かさなきゃ」と思うあまり、ミスを連発してしまって……。いつも以上にボロボロの結果。おそらく迷惑をかけたんじゃないかと思います。柴田さんはそんなことおくびにも出さない方ですが。
でも、最近、僕もどうにかスコアが90台で安定してきました。今一番のライバルはアンタッチャブルの柴田英嗣だと思っているのですが、彼はうまいのでなかなか勝てません。もっとうまくなって彼に一泡吹かせてやりたいですね。それと、これはゴルフの夢でもあるんですけど、柴田は柴田でも柴田恭兵さんともう一度回りたいです。あれから10年、成長した僕の姿を見てもらいたいんです(笑)。恭兵さん、待っててくださーい。
ドロンズ石本
1973年広島市生まれ。96年お笑いコンビ「ドロンズ」として日本テレビ「進め! 電波少年」で「南北アメリカ大陸縦断の旅」に挑戦、人気者となる。ドロンズ解散後はタレント、レポーター、俳優として活躍中。恵比寿の馬肉料理専門店「馬肉屋たけし」のオーナーでもある
週刊ゴルフダイジェスト2022年7月26日号より