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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.4「カーナビの指示で運転しても道は覚えない。ゴルフも一緒」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

二宮家4人のゴルフスタイルは、四者四様。とくにボクと母は真逆のタイプ。ボクは、球をわざと曲げて攻めるのが好きだけど、母は真っすぐしか打たない。母のOBとイリオモテヤマネコは同じくらいレア。飛距離は『そこそこ』だけど、四国女子アマで6度も優勝しているのは、高いパーオン率のおかげ。

両親はともに専修大学のゴルフ部出身。父が3年のとき、母が1年という関係だ(ちなみに4年生には羽川豊プロがいらした)。同じ愛媛出身ということもあり、学生時代から仲が良かったみたいだけど、父が母にゴルフを教えて愛が芽生えたわけではないらしい。

母は、家では明るく、何の悩みもなさそうだけど、ゴルフに関してはすごくいろいろ考えてる。そこが尊敬できるところかな。

「考えないとダメよ。だって、カーナビに指示されたまま運転しても、道って覚えないじゃない。ゴルフも一緒。誰かに言われるがまま動いても、身につかないわよ。体感しないと」。そう説く母は、学生時代、練習の虫だったらしい。

ときは1970年代後半から80年代前半。ちょうどボールがスモールボールからラージボールに統一された時代。それに早く慣れて、自分のモノにするには球を打つ以外なかったのだろう。

母は、シャンクに悩んだときも「とにかく打って、打って、打って……考えて、また打って、打って……」を半年ぐらい続けて直したって言ってた。

ここでミソになるのは、『ときどき考える』ってこと。どうやったらミスになるのか、曲がるのか。打って考える。またミスをする。考える、打つ。これを繰り返し、自分で試行錯誤しながら練習することで、一生モノの技術を身につけた。

その証拠に母は今、仕事と家事が忙しくてほとんど練習できない。それでもハンディ2をキープできるのは、ひとりで考え、黙々と練習した時代があったから。

体が覚えてるって?「う~ん、歳をとって体型も体力も違うから、それはちょっと違うかも。たぶん、一番の収穫は考える力がついたことなんだろうな。ミスしたときに、なぜミスしたのかわかるし、それをどうすれば直せるか、すぐに思い浮かぶ」。つまり、母のショットが曲がらないのは、「こう打つと真っすぐ打てる」だけでなく、「こう打つと曲がる」っていうのがわかってる、きっと。質より量ではないけれど、例えば『一日100球』とか、ノルマを決めて自分で考えながら打ちまくるってのもありだと思うよ。

「カーナビ頼りでは道を覚えられない。考えて、予想して進むから、覚えていく。ゴルフの稽古も同じだと思う」


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+3。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2016年10月25日号より