【ゴルフせんとや生まれけむ】中尾孝義<後編>「スカウト時代に“66”が出ました!」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き元プロ野球選手の中尾孝義氏。
現役時代からゴルフにハマっていましたが、ベストスコアが出たのは引退後に阪神のスカウトをしていた54~55歳のころです。埼玉県のノーザンカントリークラブ錦ヶ原ゴルフ場で、スタートホールはボギーだったのですが、そこから7バーディを取って66というスコアをマークしました。日本ハムのスカウトをしていた今成(泰章)と一緒にラウンドしたときです。
彼もゴルフ好きでスカウトの担当地区も同じだったので、よく一緒に回りました。高校の野球部の練習が始まるのは15時ごろですから、それまでの間にプレーしたり。初めて一緒に回ったのは秋田のゴルフ場でした。8時の予約を取り、前日夜に車で出発したら4時ごろ着いたので、車の中で少し寝たんです。そうしたら起きたのが9時でした。「大丈夫ですか?」と聞いたら「大丈夫です。回ってください」と言ってくださって、のんびりした時代でしたね。
選手時代もパープレーくらいで回ったことはありましたが、やっぱり力があるから振り回すでしょ。引退して歳を重ねてから、「力を入れないほうが、ヘッドが走ってボールが飛ぶんだ」ということにようやく気づきました(笑)。
そのころ中嶋(常幸)さんと一緒に回らせてもらう機会があって、僕がスタートホールでいい当たりをしたら、なんとアウトドライブしたんですよ。そうしたら中嶋さんが「本気を出します!」と言って、本気で打ったらやっぱり飛びますね(笑)。
でも、僕もそのころは当たれば300ヤード飛んでいました。340ヤードの打ち下ろしのパー4を1オンしてイーグルを取ったりしていましたから。60歳を過ぎてからだんだん飛ばなくなりましたが、それでも250ヤードくらいは飛んでいるので、年の割にはよく飛ぶと言われます。
最近は息子がゴルフにハマっていて「パパ、行こうよ」と誘われて月1~2回のペースで一緒に回っています。今年30歳とまだ若いので、当たると息子のほうが飛びます。息子も高校1年まで野球をしていたんですけど「オレは(野球では)パパを超えられない」と。するとギターに興味を持ち始め、今はプロとして生活しているから大したものです。結婚もしていて、6月には男の子が生まれました。僕にとっては初孫で、かわいくて仕方ありません。息子の嫁さんもゴルフ好きで、妊娠中と出産後はなかなか行けなかったのですが、9月に再デビューしました。
この前、息子と「あと10年くらい経ったら4人で一緒にゴルフに行けるかな」という話をしました。今は小学校3~4年生になったらコースを回れるじゃないですか。孫と息子夫婦と僕の4人で一緒に回るのが今後の目標です。そのころ僕は70代になっていますから、エージシュートも達成してみたいですね。それとホールインワンもまだ出したことがないからやってみたいです。ノーバウンドでカップに入ったことは何度かあるんですけど出ちゃったんですよ。この歳になっても目標がたくさんあるんですから、ゴルフって本当に楽しいですよね!
中尾孝義
1956年、兵庫県生まれ。80年ドラフト1位で中日に入団。81年の開幕直後から正捕手として活躍。82年に8年ぶりのリーグ優勝に貢献。88年オフにトレードで巨人に移籍。92年シーズン途中に西武へ移籍した後、93年現役引退
週刊ゴルフダイジェスト2021年12月7日号より