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【当たるも八卦当たらぬも八卦】Vol.67「ハロ」と長い飛行機雲が出たら、雨の予兆です

ゴルフを愛する気象予報士・森田正光氏による気象コラム「当たるも八卦 当たらぬも八卦」。第67回は富士山に積もる「雪」にまつわるお話。

空に現れる雨の兆しとは?

写真は9月13日、富士宮市にある「ふもとっぱらキャンプ場」で撮影されたものです。

富士山をバックにして見事なハロ(日暈・にちうん)が写し出されています。

ハロは太陽に薄いベールのような雲がかかったときに見られますが、この薄い雲は細かい氷の粒でできており、それがプリズムの役目をして太陽の光を環状にするわけです。

問題はこの雲ができると、翌日は雨になる確率が高く、場合によっては嵐をもたらすことです。低気圧が接近するときは上空に湿った空気が入り込むので、まず空高いところに雲を作ります。そして低気圧本体がやってくると雲は分厚くなって、天気は大荒れになってきます。実はこのときも東シナ海に台風14号があり、翌日は関東地方で雨の所が多くなりました。


さらにこの写真をよく見ると、数本の飛行機雲が見られます。この飛行機雲も湿気があるために長く伸びて、なかなか消えなかったことが伝わります。このハロと、長い飛行機雲が出たら、季節を問わず「雨の兆し」と覚えておくといいでしょう。

ところで今年の富士山は、異変が起きています。ふもとから見て、富士山頂にその年初めて雪が積もることを「初冠雪」と言います。今年は、9月7日に甲府地方気象台から発表されたのですが、その後、9月20日に山頂の気温が10・3度まで上がり、この季節としては異常な高温となりました。初冠雪はその年の気温の最高値が出た後の観測でなければならないので、その高温を受けて、気象台は9月7日の初冠雪を取り消すと異例の発表をしたのです。

過去の富士山初冠雪の平均日を調べてみると、明治から昭和初期は、9月25日頃が平均、ところが近年は10月に観測されることも珍しくなくなり、最近10年間の平均は10月9日でした。秋が長くなって冬が短くなったと言えるでしょう。

森田正光

TBS報道番組「Nスタ」でお馴染み。監修した書籍『空の手帳』が人気。ツイッターは@wm_moritaで検索

月刊ゴルフダイジェスト2021年12月号より