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【当たるも八卦当たらぬも八卦】Vol.66 温暖化で“ゴルフ日和”のシーズンに異変

ゴルフを愛する気象予報士・森田正光氏による気象コラム「当たるも八卦 当たらぬも八卦」。第66回は「温暖化」にまつわるお話。

前回のお話はこちら

温暖化はニンゲンのせい!?

8月9日、IPCCは、温暖化について衝撃的な報告書を出しました。IPCCというのは90年に国連の中に作られた組織で、世界中の科学者が議論して地球環境について意見を述べる機関です。

前回の14年には、地球の温暖化は人為的な可能性が95%以上あり、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑えなければならないと発表しました。この発表も十分衝撃でしたが、今回の報告書(第6次)では、なんと「人間の影響が大気、海洋、及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」(環境省)と、温暖化に対しての人間の影響を100%断定したのです。


温暖化が気象災害を増やすのは間違いありませんが、一方、我々の生活にも影響が出始めています。それは季節がズレ始めていることです。例えばゴルフの最適温度は18度から23度くらいと言われていますが、逆に言うと、日中の気温が18度を下回ると寒く感じ、上着を着てのプレーということになります。筋肉もこわばるでしょうから寒い日はスコアも伸びないでしょう。

おもしろいことに、この18度というのは東京の場合、立冬(11月7日)の頃の最高気温と符号します。つまり、日中の気温(最高気温)が18度を下回るようになると、季節は冬に近づいてきたと言えるでしょう。そしてこの8度以下になる日が、30年くらい前に比べると全国的に平均で5日ほど後ろにズレているのです。

なお、最高気温18度以下になる日を「秋の終わり」とすると、札幌は10月9日。仙台は10月27日。東京は11月9日、大阪は11月15日、福岡は11月16日。那覇は12月28日です。

具体的に言うと温暖化のスピードは10年で0.3度、30年で約1度です。秋の気温は1日ごとに0.2度ほど下がりますから、1度は日にちでいうと5日間に相当します。つまり現在は、30年前に比べて秋が5日間くらい冬の方に食い込んでいると言えるでしょう。

森田正光

TBS報道番組「Nスタ」でお馴染み。監修した書籍『空の手帳』が人気。ツイッターは@wm_moritaで検索

月刊ゴルフダイジェスト2021年11月号より