Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【ゴルフせんとや生まれけむ】マギー審司〈後編〉「マジックとゴルフには共通点があるんです」

【ゴルフせんとや生まれけむ】マギー審司〈後編〉「マジックとゴルフには共通点があるんです」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、マジシャンのマギー審司氏。

前回のお話はこちら

ゴルフを始めて10年以上経ちましたが、やればやるほどゴルフって奥が深くて難しいなあと痛感しますね。自分では同じように振っているつもりでも、その日によって球筋も弾道も方向もまったく違うんですから。ゴルフはマジックよりも不思議だと思いますよ。

そもそもゴルフって変に力んでしまうとダメで、いかにうまく脱力するかがポイントになるじゃないですか。そんなスポーツってほかにあります? 力を抜いて、いかに自然体でやれるかという点ではゴルフもマジックも一緒だと思うのですが、それなら僕ももう少し上手くなっても良さそうなのに……。全然そうじゃないところが何とも歯がゆいです。いっそ、僕の得意な“耳を大きくするマジック”を使って「カップが大きくなっちゃった!」ってやれればスコアを簡単に縮められるのに(笑)。

マジックとゴルフといえば、僕は最近もう1つ、その共通点を発見しましたよ。正確にいえばマジックとゴルフ場の共通点なんですけど、マジックって人間の心理の裏をかいて、右手に見ている人の注意を引き寄せておいて、左手で何かをこそこそやっているというところがあります。


それと同じで、ゴルフ場もプレーヤーの気がつかないところに巧妙なワナが仕掛けてあるんです。だから、何でこんな場所にというところに池やバンカーが配置してあって、つかまると大叩きするはめに……。マジックで人を騙だますのは楽しいけど、ゴルフ場に騙されるのは悔しいですよね。

ちなみに、僕のベストスコアは94。武田鉄矢さんが主催するコンペで出しました。その頃、100前後をウロチョロしていたのですが、いきなり94。ベストが出たのはもちろんうれしかったんですけど、そのとき、僕は幸か不幸か、参加者のなかでマックスのハンディをもらっていたので、ぶっちぎりで優勝してしまったんですよ。おまけに武田さんも同スコアという悪いおまけつき。「いい加減にしろ!」と怒られました。冗談っぽい言い方でしたが、目はちょっとマジだった感じが……(笑)。

怒られたといえば、以前、叙々苑カップに出た時にもそんな体験が。僕はお笑い系のマジシャンなので「ギャラリーから笑いを取ろう」と思っていて、ティーペグの代わりにでっかい耳を置いたり、ティーペグの上にミカンを乗せたりしていたんですよ。でも、同伴者は笑ってくれたのにギャラリーにはウケなくて。「なんでかなあ」「見えないのかな」などと思いながら何ホールかボケ続けていたら、ギャラリーから「真面目にやれ」と声がかかってしまったんです。やっぱりゴルフは紳士のスポーツですから“おふざけ”は、ほどほどにしないとと思いました。

最後にこれからの夢を。僕はもっと上手くなりたいとか、90を切りたいというのは気にしていなくて、仲のいい人たちと1年でも長くゴルフをやれればそれでいいんです。最近、今までゴルフに関心のなかった妻がお気に入りのタレントさんがゴルフ好きだと知って「私もやろうかな」と言い出したんです。共通の趣味がないので妻が始めてくれたらうれしいですね!

マギー審司

73年宮城県生まれ。高校卒業後アメリカに留学し、帰国後94年にマギー司郎に弟子入り。師匠譲りの軽妙なトークとマジックで人気を博す。ゴルフのベストスコア94、ボウリングのベストスコア279

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月5日号より