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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.46 ラン70Yのランニングアプローチ作戦

PHOTO / Masaaki Nishimoto

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

前回のお話はこちら

スウィングをアプローチの延長でつくるという考え方があります。

たとえばランニングアプローチをだんだんと大きくして、ショットをつくるとか、ちょっとカット気味で止めるアプローチを大きくしてフェードにするという考えです。要は大きいクラブでも球を操るということです。

キャリーで300ヤードも飛ばせん人間は、空中戦やのうて地上戦が大事やという話をしましたけど、このアプローチの延長でスウィングを考えるのは、地上戦を戦うために考えなあかんことやと思うのです。

ランニングアプローチを大きくするとき、どれだけ転がすか、まあ、下の硬さを考えなあかんですけど。

僕は、180ヤードのキャリーで、あと70ヤードをランさせるという練習をようやっております。ランニングアプローチの延長、大きなランニングアプローチやね。

180ヤードのキャリーで、70ヤードのランやったら、実質250です。

バチーンと打っても、キャリーが240ヤードでランが5ヤードなら245ヤードしか行きません。それなら最終到達地点は、大きなランニングアプローチとおんなじやないですか。

180ヤード飛ばして70ヤード転がすとか、そんな練習をするんですよ。すると、クラブの抜け方がようわかってくるんです。

ただし、このランニングアプローチ作戦は大雨が降っている日には使えんという弱点はあります。あくまでも下が硬いという条件付き作戦です。

何でそういう練習をするのかというと、インパクトをどうするかよりも、クラブがどう抜けるかが確認できるからなんです。

ちょっと禅問答みたいやけど、クラブを抜いてはダメ。あくまでもクラブが抜けないとダメなんです。意識してクラブを抜くのと、自然にクラブが抜けるのとでは、まったく違うんです。ヘッドは、考えんと抜けなあかんのです。

ドライバーでもサンドでもええんですけど、そのクラブで、どんだけ遊べるかという話でもあるんです。

ドライバーで200ヤード先の砲台グリーンの上に止めるとか、大きなクラブで転がらんボールを打つ練習でもええと思います。当然、ちょっとスライス系になります。そういう思いを持ってボールをどう止めるかです。

そんな遊び心があると、練習が楽しくなると僕は思うとります。

「キャリー180Yで70Y転がす。アプローチの延長、やってみなはれ!」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月7日号より