「バブル方式」は機能している? 五輪ゴルフ担当記者が感染対策をレポート
開催前から厳格な行動管理のもと、徹底的な感染対策を目指す今回の東京オリンピック。大会関係者を外部と遮断する「バブル方式」によって感染拡大を防ぐ試みがなされているが、ゴルフ競技ではどのような規制や感染対策がなされているのだろうか。現地記者がレポート。
まず宿泊先や移動について。ゴルフ競技に来ている海外メディア陣の多くは、大会組織委より定められた「オフィシャルホテル」へ宿泊し、そこから専用のバスで会場へ向かう。オリンピックでは種目ごとの取材申請が必要で、ゴルフ専門の記者は他競技の会場へ入ることは許されない。
会場の霞ヶ関CCに設けられたゲートには自衛隊が常駐し、荷物チェックや顔認証、検温、アルコール消毒ののちに入場が許される。コース内ではミックスゾーンのみ取材が許可され、ロープ内に入るのは許可制。通常の試合なら話しかけられるのに、松山英樹選手となかなか話せずヤキモキする。
記者たちは健康管理アプリで毎日の健康状態を報告する義務があり、PCR検査も4日に1回必要。これらの点においては十分な感染対策がなされているように感じるが、これはあくまでも名目上の話。日本人メディアは指定ホテルへ宿泊する人から自宅通勤者までさまざまで、公共交通機関の使用者も少なくない(記者は指定ホテルから毎回、レンタカーで会場へ向かっている)。
海外メディアに向けた指定ホテルについても、あくまで“推奨”にすぎず、指定以外のホテルに宿泊している人もいる。宿泊先での外出も制限されるが、私は外出報告しなくてもいいと言われた。現実問題、完全に「バブル」を維持することの難しさを感じた。選手だけでなく我々メディアも、普段とは少し違う緊張感が漂う現場での取材となった。
会場入り口の看板と普段より距離の保たれたメインプレスセンター
ゲートには顔認証とID確認、検温を同時に行う機器が
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月17日号より