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【笑顔のレシピ】Vol.90「夏休みの宿題」を上手くこなせる子は、ゴルフの上達も早い?

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

夏休みが始まりました。最近の子どもは習いごとも多く、授業がなくても大忙しです。でも我々の時代と同じく、学校の宿題もたっぷり出ます。

この大量の宿題、実は選手たちの自立をうながしてくれる2つの重要な役割を担っています。

学力の向上という役目は学校の授業と同じですが、まず大量の課題に対し、いつ、どのくらいやるのかというペース配分が子どもに委ねられています

夏休みの最後の数日で宿題漬けにならないためには、最初に計画を立てなくてはなりません。

毎日1時間やれば間に合うとか、8月は試合や帰省があるからその分を他の期間にやるとか。もちろん最初からズバッときれいに線を引くのは難しいですが、長期的な目標を達成するには計画は必要なんだということを体感するのが大切なのです。

これが自分でできるようになると、目標に対していま自分がどの位置にいるかわかるようになるので本人もとても楽になります。不安がなくなり、課題に集中できるようになるので、成長も早まるでしょう。

プランを立てることに加えてもう1つの重要な役割は、決めた計画をやり切るということです。立てた計画というのは、いわば自分との約束です。その約束事をちゃんと守るためには、自分を大切にし、そして律さなくてはなりません。まさに自立の1歩目ですね。

大人が尻を叩いてやらせることは簡単ですが、それではいつまでたっても自分から進んで壁を乗り越えられるような選手にはなれません。

もし「私はゴルフが大切だから、勉強は後回しでいい」というお子さんがいたら、学力の向上以外に選手として大切な能力が備わる訓練だということを教えてあげてほしいと思います。

とはいえ、最初からこんな理想通りにはいきません。かくいう僕も宿題を追い込んでやった記憶がありますから(笑)。まずは親御さんが伴走して、夏休みの宿題をやる意味をしっかり伝えてほしいと思います。

学校でもゴルフの上達に役立つことが意外と学べるものです(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)

青木翔

あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月17日号より

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