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森守洋「レッスンは受けるな」Vol.35 柔軟に進化を受け入れることがレベルアップにつながる

KEYWORD UT森守洋

堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。

PHOTO/ARAKISHIN

>>前回のお話はこちら


File.35
ユーティリティについて


柔軟に進化を受け入れることが
レベルアップにつながる

先週は第59回となる日本女子オープンが開催されました。

舞台となった宝塚ゴルフ倶楽部(旧コース)は、今年で100周年を迎えた関西の名門です。

2グリーンのクラシックな日本的なコースで、ナショナルオープンらしいスコアが伸びない戦いになるかと思われましたが、改めて最近の女子プロのレベルの高さを感じました。

今回の宝塚ゴルフ倶楽部(旧コース)ではパー3が6つあることもそうですが、小さいグリーンに対して正確なボールコントロールが求められます。

そこで感じたのがユーティリティクラブの必要性です。

私が指導に当たっている原江里菜選手が、今年の『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』では、初日、2日目と良いゴルフを展開しました。

その陰にはユーティリティクラブの存在が間違いなくあるんです。


今年の男子ツアーの『前澤杯』のときに、片山晋呉選手が8番ユーティリティまで入れて、アイアンが9番アイアンだけだったんです。

そのことを僕がレッスンしているお客様に伝えたら「それ格好いいなぁ!」って話になって、それで7番までユーティリティにしたんです。

元々その方はシングル級の腕前ではあるのですが、そうしたらデータ的にパーオン率が急激にアップしたんです!

6番と7番をユーティリティにしただけで、それまで8ホールくらいだったのが平均で12ホールでパーオンできるようになった。

原選手も7番をユーティリティにしてからメチャクチャ調子が良くなったんです。

NEC軽井沢での好調のゴルフは、まさにユーティリティが要因でした。

だからアマチュアゴルファーの方々には、ユーティリティってとにかくメチャクチャすごいクラブなんですよって言いたいんです。

特に昔からゴルフをやっている世代の方々にとっては、5番アイアンや6番アイアンがキャディバッグに入っていないことは、何か負けた感があって、キャディバッグから5番や6番アイアンを抜いた時点で、もうそのクラブが打てなく
なるんじゃないかと思っているのではないでしょうか。

確かに5番や6番アイアンはヘッドスピードがある程度ないと物理的に球を上げるのが難しいクラブですから、無理をせずに絶対にユーティリティにするほうが得策だと思います。

実際、僕も5番アイアンをユーティリティに替えました。

本当にとにかくゴルフがメチャクチャ楽になりましたし、6番や7番アイアンもユーティリティに替えてしまおうと考えています。

あと付け加えて言うならば、以前も青木瀬令奈選手が前澤杯で活躍したことについて話しましたが、その要因がスピンコントロールでした。

青木選手は女子ツアーのなかでユーティリティをたくさん入れている選手として知られています。

その彼女がユーティリティでスピンコントロールしているということは、実はアイアンよりもスピンコントロールがしやすく、実際にコントロールできるということなのです。

確かにパワーのある男子プロはスピン量が多く、それを抑えることに苦労しますが、同じ距離をユーティリティで打つ女子プロたちは男子プロよりも簡単にスピンコントロールができるわけです。

片山選手は、これまでショートウッドなど新しい概念を男子プロの世界に持ち込んできたパイオニアですが、その片山選手が着手しているわけですから間違いありません。

何より今の女子ツアーの繁栄やレベルの高さは、ユーティリティの発明によって支えられていると僕は思っています。

それくらいユーティリティはゴルフ界にとっての大発明なのです。

1988年にクラブ設計家であり“フォーティーン”の創始者である故・竹林隆光氏によって設計された「タラコ」の愛称で大ヒットしたプロギア「インテスト」。これがユーティリティをこの世に広めたパイオニア的存在のクラブだった

解説/森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

週刊ゴルフダイジェスト2026年10月27日号より

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