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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.901 バンカーの打ち方に悩んでいる人、常識のワナにつかまっていませんか?

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


バンカーが苦手です。知り合いの男性からは「女性は力がないから難しい」と言われますが、ジュニアの女の子がうまく打っている動画もよく目にします。バンカーショットは力で打つものなのでしょうか。(匿名希望・45歳・歴30年)


最初に心得ておいてほしいのは、バンカーに入ったら、まず一発で出ることを目指すべきだということです。

バンカーは通常のショットとは違い難しいため、ピンに寄せるのはプロでもたやすいことではありません。

バンカーからのショットで大切なのは
①スタンス
②フェースの向き
③ボールの位置
という構え方の三原則をきちんと守ることです。

まずココを間違えなければ、力のあるなし関係なくバンカーからボールは出ます。

アマチュアの方の多くがバンカーを苦手にしていること、なかでも力の弱い女性には苦手意識があるというのもわかりますが、実はあえて難しい打ち方をしているから上手くいかないと思っています。


バンカーショットの打ち方について一般的には、フェースを開いてオープンスタンスに構え、ボールを左足側へ置き、ボールの手前2~3センチ辺りをアウトサイドインのカット軌道で振り抜く……というようなものを読んだことがあるかと思います。

もちろんこの打ち方が間違っているとは言いません。

アゴに引っかからないように、フェースを開いてカットに打ちボールを高く上げたいからでしょう。

でもサンドウェッジのロフトは56度ほどあり、ヘッドが砂の中へ刺さるのを防ぐためソールは広く設計されているので、フェースを開いたりオープンに構えなくても通常のスタンスとセットアップでたいていのバンカーに対応できると思います。

バンカーだからといって特別な打ち方にしてしまうことで、ザックリやホームランなどのミスをしているように思います。

バンカーは「フェースを開いてカット打ち」じゃないといけないという刷り込まれたセオリーが、苦手意識を付けている要因のひとつかもしれませんね。常識のワナというのでしょう⁉

わたしならバンカーショットに苦手意識があるのなら、逆にバンカーはクローズに構えてみては?と提案したいと思います。

スタンスの向きを変えるというのではなく、目標に対してスクエアに構えたところから右足をやや引いて構えます。

そして左足重心のスウィングをする感覚を持ってください。クローズスタンスのほうがスウィング軌道は地面に対して鋭角的になるので、ダフリが少なくサンドウェッジのバウンスも以外と上手く使えます。

逆の発想ですが、この効果の違いは芝の上で試して確かめてみることができます。

練習場のフラットなライのマットの上にボールを置き、オープンに構えて打った時とクローズに構えて打った時。

さらには、クラブを右手と左手それぞれ一本だけで握って打ってみた時の打感、ボールの高さ、飛び出す方向などをチェックすると、その違いに気がつくはずです。

オープンで右手一本だとスウィング軌道は自然とカットになり、左手一本だと距離が出せない。

クローズで右手一本は引っかけやすくなり左手一本だと楽に距離が出せる、などこうした感覚や傾向の違いが分かってくれば、砂の上でのスタンスの取り方にも合点がいくと思います。

こうやって自分の動きを知り打球の性格を発見することで、ショートゲームの技術に磨きをかけ感覚を身に付けていけばバンカーは怖くなくなります。

バンカーは力がないと上手く打てないことはありませんよ。

もちろん、力があるに越したことはありませんが、常識にとらわれず考え方や発想の転換によって見えなかった景色を見ることができると思います。

"押してダメなら引いてみな"ですかね(笑)」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2026年31日号より