【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.900「芯でとらえる」感覚がつかめるといろんな技を身に付けることができます
岡本綾子「ゴルフの、ほんとう。」
米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。
TEXT/M.Matsumoto
>>前回のお話はこちら
- 米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。 TEXT/M.Matsumoto >>前回のお話はこちら 冬場の芝は薄く寝ていて湿っぽいので、アプローチで少しでも手前から入るとチャックリします。ウェッジでチャックリしないためにはどうい……
若いときはウッドはトウ側に当ててドローを打って、アイアンはヒール側で打つようコーチにも言われてやっていました。岡本プロはフェースのどこで打つなど意識されていたでしょうか。(匿名希望・49
歳・歴40年)
ゴルフはホールカップにボールを入れるために打つ技術、入れる技術を習得することが求められます。
ですがその技術を身に付けるのが難しいのがゴルフでもあります。ドライバーはヘッドのトウ側に当ててドローを打っていたということですが、実はとても難易度の高い打ち方だと思います。
確かに、ボールがトウ側に当たると、クラブヘッドを上から見て、ヘッドは右側へ回転してボールは逆に左回転のフックになります。
反対にヒール側に当たった場合は、ヘッドは左回転してボールには右のスライス回転がかかることになる。
このヘッドとボールが噛み合う歯車のような関係になることから『ギア効果』といわれる現象が起こります。
ちなみに、ヘッドの重心深度が深いほどギア効果は比例して大きくなるため、アイアンではそれほど問題にはされません。
レッスン書などでボールがトウ側に当たったことでフック回転の球が出た、という解説を目にすることはあっても、意図的にトウに当ててドローを打ちにいくというのはどうでしょうか。
アマチュアの方にしたら、とても高度なテクニックを要すると言わざるを得ないのではないでしょうか。
実際、トウ側に当てるといってもどの程度ズラすのか、その度合いによってどのくらいフック回転がかかり、どれだけ曲がるのか。その調節は言葉にできないほど難しいはずです。
トウ寄りで構えて打つとしたら、わたしなら「右には行きたくないなぁ~、距離は落ちてもいいからココは安全に行くか」という場合に限られます。
トウ側やヒール側に当てるという表現にしても、目に見えるほどズレているとすれば、フック回転のようなギア効果は発生しないと思います。
芯から最大でも2~3ミリ程度のズレの範囲に限られるでしょう。そんな狭いスペースに当てて打つことができるのなら、ほかにもっと確実で有効なコントロールする方法があるのではないでしょうか。
わたしがインテンショナルフックやスライスを打つ場合には、フェース面の打点を変えて打つのではなく、グリップやスタンス、フェースの入り方やスウィング軌道を調節することでコントロールしていました。
そのフェースの向きなどは、経験の中で作り上げられたわたしなりの基準があり、打ちたい弾道の曲がり加減に応じてその場その場で選択をする。
フックやスライスを打つからといって、その都度打つときに打点を変えたりはしないということです。
ヘッドが大型化してきたとはいっても、ボールをしっかりとらえる芯は、今も昔も狭いエリアです。
そこでとらえてこそ、ボールは意図したようにコントロールできると考えます。どんなコーチも、わざわざ芯を外す打ち方を教えたりはしないと思います。
稀にアプローチなど状況に応じて意図的に芯を外して打つテクニックもありますが、それは非常用の手段です。
たとえばですが、アイアン6本をバッグに入れるとして1本につき3種類の弾道と距離の打ち方をマスターする練習をするのはどうかしら。
7番アイアンならたとえば、ロフトを実質29度、32度、35度に使い分けるような打ち方のバリエーションを身に付けたい。
そうすれば計算上、6×3で18本のクラブを自由に使えることになりますよね。そのほうがコントロール不能なフェース打点調節よりも、ずっと現実的で有効な引き出しを増やすことができるはずですよ。

「トウやヒールに当てる技術があれば毎ショット"芯"で打てるはずですよね!」(Illustration by AYAKO OKAMOTO)
週刊ゴルフダイジェスト2026年3月24日号より


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