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【ゴルフせんとや生まれけむ】ちばてつや<前編>87歳の今も週イチでコースへ「いまが一番ゴルフを楽しんでいるんじゃないかな」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、漫画家のちばてつや氏。

ゴルフを始めたのは昭和37年頃。22~23歳の時だから早かったんですよ。私はもう漫画家になっていた。漫画家って、家で夜仕事をして、昼間はぶらぶらしているでしょう。たまたま近所にゴルフ好きの社長がいて、平日は会社から迎えのクルマが来るけど、週末は来ないからゴルフの練習に行きたいけど足がない。「あんた、暇ならワシを練習場まで送ってくれんか」と言うわけ。ちょうどクルマを買ったばっかりで、どうせ暇だからと乗せて行ったら「ただ見ていてもつまらないだろう。打つか」と社長がクラブを貸してくれて、それがきっかけで、社長の練習に付き合ってゴルフをやるようになったんです。 

そのうちコースに行こうとなり、社長がメンバーの飯能GCに連れて行ってくれた。そこで背の高い、日に焼けた男がスタート係をやっていて、社長が「君も頑張れよ」なんて声を掛けていたんですが、それが若き日の青木功プロ。文化勲章か何かの授賞式の昼食会で会って青木プロにその話をしたら懐かしがっていたけどね。

当時、ゴルフは大きな会社の社長か病院の院長みたいな金も地位もある人しかしなかった。そこに22~23歳の若造がついて行ったから、キャディさんに「まあ、親のすねかじっていいわね」なんて嫌味を言われながらね。だけど楽しかった。というのも、漫画家はいつも部屋にこもって、背中を丸めて、人が寝ている夜中から明け方にかけてやるような仕事で、だから自然に囲まれて広々とした芝生の上を、お日様に当たりながら歩く。それだけで身も心も解き放たれた気分になって、いっぺんにハマっちゃった。

ただ、その頃から仕事が忙しくなり、創刊して間もない週刊少年マガジンに『ちかいの魔球』の連載を始めたからね、週刊誌は毎週締め切りが回ってくるから、ゴルフどころじゃなくなった。その後も『あしたのジョー』、『おれは鉄平』、『あした天気になあれ』、『のたり松太郎』と週刊誌の連載が舞い込んで、ゴルフに行けるのは、よくて年に5~6回で、なかなか行けなかったですね。

若い頃は朝まで原稿を描いて、迎えに来たクルマの中で寝てゴルフ場に着き、ラウンドしてから、またクルマの中で寝て帰って来て、そのまま仕事場に入るなんてむちゃもやったけどね。まあ、漫画家は普段から運動不足だから、仲間を集めて、野球やテニスはちょくちょくやっていたんだけど、ゴルフは丸々1日つぶれるから、それが難点でなかなか行けなかったですね。

そういう意味では、いまが一番ゴルフを楽しんでいるんじゃないかな。週1回コースに出ていますからね。私、テニスは毎日やっているんだけど、月曜日はテニスクラブが休みだから、テニスの仲間とクルマに乗り合わせて2~3組で出かけているんです。つい先日は96で回って、これが最近のベストスコア。アプローチが直接入ったり、30メートルのパットが入ったりして、だからゴルフはやめられないんだけどね(笑)。

ドライバーの飛距離? コロナのときに入院して体力が落ちたから、今はナイスショットでも160ヤードくらいかな。若い時は結構飛ばしたんだけどね。

>>後編につづく


ちばてつや

昭和14年生まれ。東京都出身。漫画家。高3の17歳で漫画家デビュー。代表作に『あしたのジョー』『のたり松太郎』など。ゴルフ漫画の『あした天気になあれ』では“チャーシューメーン”が話題に。文化勲章などを受賞。文化功労者

週刊ゴルフダイジェスト2026年3月3・10日合併号より