【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.37「クラブに仕事をさせ新しいショットを試みよう」
シニアのための89ビジョン
飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら
- 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 週刊ゴルフダイジェスト11月11日号の特集「アマのドライバー飛距離大調査」を読みましたか? 東名CCで……
高市内閣は裏金議員を干さずに、たくさん仕事をさせて名誉挽回を図るそうです。じゃあ、うちのゴルフクラブも秘密の小遣いで家族に知られずに買ったので、しっかりと仕事をしてもらいましょうか。 今回は固定観念にとらわれず、14本あるクラブの隠れた使い道や意外な打ち方を学びます。
皆さん、たとえばパターでティーショットをしたことがありますか? 昔、後藤修先生の合宿でショートコースをパター1本でラウンドさせられました。クラブに固定観念を持ってはいけないとのことです。パターにも少しロフトがあって、低い球ながら前に飛ぶんですよ。パターのティーショットは転がりも含めて50~60ヤード出ました。そこからセカンドショットもパターで転がし、延々打っていくのです。だから今でも、フェアウェイからのロングパットが得意というわけです。ほかにどんなショットがあるかというと……
長い距離のバンカーショット
井上誠一設計のコースは、グリーン手前60~70ヤードにバンカーが配置されていることがよくあります。この微妙な距離を打たせる井上誠一って意地悪な性格なのか? なかなかやってくれますわ。
さてどう打つか? 答えはPWでスリークオーターショットですか。9番のハーフショットかもしれないし。理屈ではそうですが、砂で足がどれだけ取られるか? 体のぐらつき、ダフリ具合も変わります。バンカー練習場で何度も打っておかないと実戦では役立ちません。
低いボールを打つ
高さ2メートル以下のショットを、どのクラブでどのように打つかは悩みどころです。低い球を打つケースは、目の前にスタイミーな木があり、低く打たないと抜けられない。あと林にボールが入り、しかも松の枯れ葉の上にボールがあるフェースが滑りそうな場合があるじゃないですか。
いずれもパターのように腕で五角形を作って“スライド打ち”をします。これはパターと同じ原理なのでライは関係ないです。あと練習により高さを調整します。高さの調整には、練習場で7番アイアンや4番UTを持って、低い球を打つ練習あるのみです。ロフトの立て具合、スライド打ちの強さ、フェースがブレずに打てるか? これもかなり練習しないと実戦では生かせない。ぶっつけ本番で打っても無理でしょう。
ドライバーの8割ショット
“短尺ドライバー”が評判です。ゴルフ番組でも芸人さんなどが使い始めています。けれど今持っているドライバーを、そのまま短尺化できるので応用しましょう。私がやっているのはグリップを短く持つ方法です。過去に何度も説明しています。現在は指3本分ほどグリップを余して打てば、なかなか鋭い球が出ます。
そしてもうひとつはドライバーの8割~9割打ち。これはなかなかできないです。まず打ったことがないから。けれど慣れるとボールが曲がらず、綺麗な弧を描いて180ヤード弱ほど出ます。8~9割ショットの練習をしていると、本番ではアドレナリンが勝手に出ますから、結果9~10割ショットになるというわけ。ミニドライバーにもなるし、スプーン代わりにもなる。俗に言う置きにいくショットの完成です。
10YをSWで寄せる
SWで20~30ヤードの寄せの練習はするけど、10ヤードはあまりしないでしょう。けれどピンが端にある場合、10ヤードを打たなければならないこともあります。そこできっちり寄せられたら、周りにプレッシャーをかけられますよ。
打ち方はたとえ10ヤードでもボディ主導でテークバックをし、小さなトップを作って振り下ろすというもの。後藤修先生いわく、全てのショットは一緒であると。
これこそ普段やっていないから打てないだけです。感覚的にはスロースウィングでテークバックしている感じですか。宮里藍選手の有名なスローテークバック動画があるでしょ。あれを見て、アプローチだから、最初の30センチだけスローで引けば良いんですよ。
練習は当面15ヤードを寄せる練習をして、少しずつ距離を縮めていくのも悪くないです。
いろんなショットを提示しましたが、打てないのは試してないだけです。いつも通常のショットばかり練習をする。そりゃ都内の練習場のボール代は高いですもん。けれどそこをケチらず、10ヤードを何度もコツコツ打つんです。それしか上達の道はありません!

教える人/木村和久
「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー
週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号より


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