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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.35 上達するための「お金と時間」を考える

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

じゃ~ん、アマチュアゴルファーの最大の命題、かつ言い訳を発表します。「ゴルフは毎日練習して週に2~3回ラウンドができたら、誰でもシングルになれる」。

まさにその通り。要するにアマチュアのゴルフは、金と時間さえあればたいがい上手くなれるはずなのです。けれど現実は時間も金もない。今回はそういった制約の中で、80台をどう出すかを考えます。その答えはずばり『選択と集中』です。

現状を把握

今年の夏は暑くて練習どころじゃなかったです。夏に練習したのはたった1回、けれどいろいろ創意工夫し、80台は5割以上出しています。涼しくなって今は月1~2回は練習できていますが、やってもその程度ですね。

制約のある練習やラウンドで、いかに効率よく腕前を上げ維持していくか、そのからくりを報告したいと思います。


脱「ドライバー競争」

ゴルフで一番お金と手間のかかるのはドライバーです。見栄もあるので、流行りのドライバーを使いたくなる。すると、そのドライバーを打てるようになるまで、ものすごく練習しなきゃならない、まさに金と時間の浪費です。

だからドライバーの流行りもの競争には乗りません。190ヤードしか飛ばないドライバーで、そこそこボールが暴れずに打てれば、それでよろしいのです。

ちなみにホームコースの扶桑CCに置いてあるドライバーは10年前の『マックテック』。フィッティングはしていますけど。それでハーフ39、今季ベスト82を出しています。なかなかでしょ。

100Y以内が大切

ドライバーの練習は最後に5~6球打つのみ。シニアのベテランはみんなそうです。そもそもドライバーを打つと疲れますから、ね。代わりにやるのはアプローチです。100ヤード以内を10ヤード刻みで打つ練習は大事です。世田谷の練習場に通っていますが、そこは60ヤードしかない。けれど100ヤードまでは、ネットの高さでだいたいの距離計算ができます。スリークオーターやハーフショットの練習を、ヤマハの『UD+2』のASやAW、PWの3本などを使い分けてしています。

短い寄せは自分流も

いまさら20~30ヤードの寄せを念入りにやれと言っても、そんなのやってるわけで、そこからは自分流の技を磨くことです。冬はボールが上がらないので、転がし技を覚えるのがいいと思います。

推奨するのは30~40ヤードの“パター打ち”。これはやっていないから打てないだけで、日頃パターの練習場で打っていればまあまあ寄ります。カラーやフェアウェイから打つ場合は芝目を見て、1mを倍の計算で打つ。たとえばカラーや芝が5mあるとしたらそこは10mのパットと計算して、トータル距離に加算するとかね。

あとは傾斜などいろいろありますから、何回も練習して距離感を覚えてください。ウェッジで打てないときは役立ちます。

加えてPWや9番アイアンのパター構えの“スライド打ち”。これもなるべくフェースのトウ側に当てて、パターのように打つのですが、練習は大事です。以前、チッパーを使っていたこともありましたが、チッパーより簡単かも。というかチッパーだとクラブを1本加えねばならないので、本数制限に引っかかる場合があります。

ストレッチは大事

時間のない人用のストレッチは、長いクラブを水平にして背負い、上半身を回転させるというもの。これ結構効きます。それをコースで、ラウンド前やプレー中の打順を待っている間やるんですよ。

この前、試しにやったら体の回転がすごく良くなり体が回りだした。どうせ家でやらないのだから、せめてコースでやりましょう。

イメトレはテレビで

最近バトル番組やタレント参加のゴルフバラエティをよく見ます。「人のふり見て我がふり直せ」ではないですが、皆さんの“あるある系”のミスに納得しまくり。

そして塩谷育代プロのアマチュアへの指導に感服。ヘンテコスウィングをするアマチュアの、どこがどう悪いかを丁寧に説明し、わずか3球打たせて解決しますから。

最近ティーチングプロがタレント化していますが、むしろレジェンドツアープロのレッスンがやさしいし丁寧だしで、納得するものが多いように見受けられます。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年12月2日号より