Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.33「ゴルフ番組から何を学ぶべきか?」

【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.33「ゴルフ番組から何を学ぶべきか?」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

先日テレビの番組表を見ていたら、ゴルフ番組の多さにびっくりしました。トーナメント中継はもちろんのこと、ほかに企画番組が山ほどあります。マッチプレーやサドンデスのバトル系に始まり、バラエティやギア紹介、コース紹介の教養系、レッスン&ギア番組と数えたらキリがないです。

ゴルフ番組数はBS、CS、地上波ローカルを足すと30本を超え、YouTubeを入れたら24時間ゴルフ漬けになるかも。今回はそこから何を学ぶかを考察します。

トーナメント中継

PGAツアーや日本の男子ツアーは、ハイレベルな試合を展開しますが、視聴者とレベルが違い過ぎ、技術的参考になるかは甚だ疑問です。しかも応援するスターがいないと、気持ちが乗れません。タイガー・ウッズ世代から見ると、今の選手は小粒に見えますし、ね。

逆に女子は我々とスペックが近く、打ち方や戦略が勉強になります。ラフからの脱出、アプローチの技も非常に参考になります。しかも女子選手は自分の娘世代なので、感情移入がしやすいです。


BSゴルフバトル番組

断然面白いのは女子のバトルもの。「ペアマッチ選手権」や「ゴルフサバイバル」は、コースマネジメント的に非常に参考になります。ティーショットのばらけ方を見ても実に面白い。プロでもラフにばんばん飛ぶし。そこからのリカバリーも凄いですけど。

「ゴルフサバイバル」で胸打つのは、同スコア時のサドンデス。1ホール終了時に必ず脱落者を出すルールゆえ選手は必死。例えば40ヤードの寄せとかね。緊張とプレッシャーで半分も飛ばないことも。
普通に打てば簡単な寄せも、相手が先にピンにつければ勝負をかけるしかない。追い詰められた時の決断はいかに大切かですよ。

ゴルフバラエティ

ココリコ遠藤くんからホトちゃん(蛍原徹)、鈴木福くんと腕前等身大タレントの番組が人気です。そのなかでフォームが綺麗なのは遠藤くん。でもグリーン手前でやらかしがち、芸人だからウケを狙ってるのか? アマチュアのあるある系のミスが同情を誘います。

飛距離もミスの頻度も我々に近いのが、彼らの面白いところ。がぜん親近感が湧きますね。ホトちゃんは主役なのにやらかしキャラ。OBも出すし、それでもニコニコとラウンドする姿勢に共感が。ゴルフはこうあるべきです。鈴木福くんは初心者成長物語としてゴルフ番組をやっており、好感度が高いです。細身で小柄ゆえ女子からのウケもあるでしょう。ゴルフを始める人は、一緒に成長するライブ感を味わえます。

下手も登場

この前女子育成バラエティ番組を見てあんぐりしました。女子プロとアマチュア4人が、二手に分かれてラウンドする企画でしたが、いや~ヒール球、シャンク連発でひどいのナンノ。これはテレビで映すべきショットなのか。けれど育成番組と謳っていたので、徐々に成長していくのでしょう。しかも若い女子だと不思議と許せるんですよね。

自分が視聴者参加番組に呼ばれたときは断るべきと思いました。若い女性は失敗しても「いや~ん」と愛嬌で通用します。これでジジイが“ひょっとこ”ショットをしてみなさい。生き恥をさらすだけ。ヘタクソ揃いの番組を見て得るものがあるのか? あります。

番組を見ていると横振り、ヒール球、振り遅れなどミスの原因がよくわかるし、構えている段階で右向き過ぎだとかね。そういう気づきがあるのが面白いです。

中上級者向けレッスンは“紙”

以前、雑誌の読者はレッスン記事をどう活用しているかという取材をしたことがあります。ご丁寧に雑誌を切り抜きスクラップブックにしていた多くは、シングルクラスのゴルファーでした。つまり写真と文字で表現した紙のレッスンを活用しているのは、中上級者が中心ではないかと。

だから最近はテレビの上級者向けレッスン番組が減りました。林由郎先生がバンカーで打ったらクラブを引くと教えていた頃が懐かしいな。

動画のレッスンは、YouTubeの独壇場。それは紙と同じく何度でも見られる再現性と練習場で見られる利便性があるからです。

ゴルフ番組は、だらっと視聴してても潜在意識の中にイメージが入り込んできます。イメトレとして見ていれば、何かの拍子に思い出し役立つことでしょう。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年11月18日号より