飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま～に80台で回るゴルフは十分に可能!　コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST／Shinichi Hoshi

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  【たま～に80台で回りたいッ!】Vol.22　80台のための「素振り練習」と「現場素振り」術とは?

  飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま～に80台で回るゴルフは十分に可能!　コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST／Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 後藤修先生がよく語っていたのは、禅問答みたいな素振り理論でした。「素振りの再現がショットで、ショットの再現が素……

今回はゴルフの上達方法を学ぶというより、自分たちの立ち位置についてです。ゴルフというのは、キリがないスポーツで、自分の腕前の落としどころを決めないと、とてつもなく苦労します。まずはここから始めたいと思います。

自分の立ち位置を明確に

現在、扶桑CCを中心に月2～3回のラウンド生活を送っています。アイアン多めの布陣に戻したら、スコアがまとまり、15年ぶりぐらいに82が出ました。では、この調子で月例などの競技に出てみるか?　時々そう思ったりもしますが、もう一歩踏み込めません。

そもそも扶桑CCに入ったのはBクラス競技は白ティーで打つというルールがあったからで、こりゃラクチンと思っていました。最近のHCは15で、恐らく今スコアを提出したらHC12くらいかな。そして扶桑CCはハンディ12台からAクラス入りします。

つまり競技ゴルフに出ても、すぐAクラスに入り、バックティー競技に参加しなければならないのです。鶴舞CC時代の後半はAクラスで戦ったのですが、もう撃沈ですよ。みんな飛ぶし、上手いしで、自分が情けなくなりました。だから競技は様子見で、ぬくぬくと友達ゴルフを楽しんでいる。今はそれが妙に楽しいのです。

下手もつらいが上手いのもつらい

ゴルフが下手でつらいという気持ちはわかります。けれど上手いけれどつらいのもあるんですよ。それはどんな感じでしょうか。以前、名門大学ゴルフ部出身のシングルさんとラウンドしたとき、こちらがスタートで3連続パーを取ったら、烈火のごとく怒りだしたのです。「お前はインチキだ」とののしるのです。「いや別にイカサマはしてないよ」と言うと「下手だっていうから相手をしたのに、上手いじゃん。だましたな」だって。しかもニギってないのにですよ。

相手は逆切れしまくりで、ゴルフになりません。後半、普通にこっちが叩きだしたら、機嫌が良くなったって、どんだけ子供なんや。それだけゴルフ部出身とかシングルとか“黒帯称号”を持っている人は、負けられない立場なんだなと理解しました。苦しいなあ。

自分の目標値を決める

俗にアベレージスコアは、ベストスコアプラス10と言われています。私のベストスコアは75なので、アベレージスコアは計算上85になるのですが、実際はなかなかどうして。人生の年間最高アベレージスコアは88台です。

さてシニア世代の目標スコアをどう算出すれば良いか。日本では還暦を過ぎると、人生をリセットして生まれ変われるという、実にありがたい風習（?）があり、それを活用させていただきます。つまり「還暦過ぎベストスコア」プラス10がアベレージスコアで良いのです。現在還暦過ぎベストが82なのでアベレージが92。この数字は自分の年間平均スコアと微妙に近いんですよね。

ホームコース的なものを利用

ホームコースがあれば足繁く通えて楽しいですが、今はビジターでも予約ができるので、日頃通うビジターコースをひとつ作っておくのが上達の早道です。ホームコースは、他のコースよりスコアが2つ3つ優位と以前から言われています。レイアウトやグリーンの傾斜、風の流れなど地主の経験がものをいうからです。そこで還暦過ぎのベストスコア更新、平均スコアアップを狙うのは悪くない話でしょう。

しかも距離計測器じゃ知り得ない、独自の距離感「ここは不思議とショートするから強め」的な情報をつかんでいるはず。まさに自分の輝ける場所じゃないですか。よく行くコースは、打ってみて「今日はよく飛んでいる」とか、「当たりが薄い」とか「グリーンのタッチが合わない」など、自分の調子がわかる場所。そこで調整してほかで頑張る。あるいは若い飛ばし屋を誘いギャフンと言わせるとかね。

コンペのお任せはダメ

ゴルフコンペというのはコネクション、人間関係の凝縮形なわけで、呼ばれたままに組み合わせを任せると、えらい地味な人と組み合わせされます。そこは幹事クラスの人と相談して、納得する組み合わせにしてもらわないと。そういうコネがない場合は、行かないほうが良いかも。コンペはスコアじゃないです。自分をどう扱ってくれるかが大事。自分が輝かないとダメですよ～!

教える人／木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月9日号より