Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • かつて日本にも「TPC」の名を冠するコースが存在した

かつて日本にも「TPC」の名を冠するコースが存在した

ザ・プレーヤーズ選手権の舞台、TPCソーグラスをはじめ、先週チューリッヒクラシックが開かれたTPCルイジアナなど、PGAツアーを開催するコースには「TPC」の名が付くコースが多いが、かつては日本にも「TPC」の名を冠したコースがあった。

米国以外で初のTPCコースだった

「TPC」とは「トーナメント・プレーヤーズ・クラブ」の略称で、PGAツアーが運営しているゴルフ場。全米とプエルトリコ、マレーシアに14のパブリックコースと、16のプライベートコースがあり、トーナメント開催を前提として設計され、距離や難易度だけでなく、観戦のしやすさ、広大な駐車場なども考慮されている。最も歴史があるのがザ・プレーヤーズ選手権が開かれるTPCソーグラスのスタジアムコースで、ピート・ダイ設計で1982年に完成した。

それから7年後の1989年1月。このスタジアムコースをコンセプトにPGAツアーと協力し、TPC公認コースを日本全国に開発、PGAツアーを開催できるレベルの本格的コースを造ろうと契約したのが当時の後楽園(現・東京ドーム)。その第1号として選ばれたのが栃木のTPC馬頭後楽園ゴルフコース&ホテルで、PGAツアーがコースの設計・監修にあたり、トーナメント会場としての機能を持たせて1989年5月にオープンした。

「TPC」の名を冠するコースということで当時話題に。写真は「週刊ゴルフダイジェスト」に掲載された当時の広告

日本初のTPC冠コースの誕生は、当時はかなりの話題になった。ただし、宿泊施設が併設されているとはいえ、東北道、常磐道のどちらからも1時間以上という立地。国内男子下部ツアーは開催されたが、この地でPGAツアーが開催されることはなかった。その後、同じ東京ドーム系列のTPC水戸後楽園カントリークラブ、TPC市原後楽園ゴルフコースと、3つのTPCコースが日本にできたが、2004年には、TPCの契約を解除。東京ドームは2007年にゴルフ場経営から撤退している。

2004年からはTPCの冠が外れ、2007年にはモルガン・スタンレー・グループが取得し「セントレジャーゴルフクラブ馬頭」に。2010年から現在の名称「うぐいすの森ゴルフクラブ&ホテル馬頭」になっている

週刊ゴルフダイジェスト2021年5月11・18日合併号より