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【ゴルフせんとや生まれけむ】前田智徳<後編>「21年に日本アマ出場権を獲得! ところが…」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き元プロ野球選手の前田智徳氏。

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  • ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き元プロ野球選手の前田智徳氏。 >>前回のお話はこちら 2013年に現役を引退してから鷹の巣ゴルフクラブ(広島県)のメンバーになりました。このゴルフ場は山本浩二さんの先輩が重鎮メ……

競技ゴルフ初挑戦で中国アマチュアゴルフ選手権の決勝ラウンドに進出したボクですが、その後の道のりは決して順風満帆ではありませんでした。全国大会に初めて駒を進めた2019年の日本ミッドアマチュアゴルフ選手権(参加資格が25歳以上の競技)では惨敗を喫しました。試合会場の武蔵カントリークラブ笹井コース(埼玉県)は、グリーンが硬くて速くて衝撃を受けました。初日85、2日目81、通算22オーバー95位タイで予選落ち。まったく太刀打ちできませんでした。今のままでは全国で通用しないことを思い知らされました。

そこから修業を重ね、コロナ禍で大会がことごとく中止となった20年を乗り越えてリベンジを果たしたのが21年シーズンでした。この年は中国アマが4日間競技から3日間競技に短縮となり、開催時期も5月から6月に変更になりました。その初日を73で回り、首位と3打差の6位タイと好発進しました。2日目は当時の競技ベスト71をマークし、首位と8打差の4位タイと順位を上げました。そして最終日も74で回り、4位タイで日本アマの出場権を獲得したのです。プロゴルファーを目指している高校生、大学生たちを相手に50歳のおじさんが4位タイに入り、全国大会出場なんてすごいことです。でも、ボク自身も日本アマに出られるなんて思っていなかったので、大会期間中に仕事が入っていたんですよね(苦笑)。ですからやむなく欠場しました。


この年は10月の中国ミッドアマでも初日69で競技ベストを更新し、2日目も70で回り、通算5アンダーで2位に4打差をつけて優勝しました。11月の日本ミッドアマも、初日75で首位と6打差の16位タイと好スタートを切り、2日目に71をマークして首位と3打差の7位タイにジャンプアップしました。全国大会で優勝を狙える位置につけました。

だけど全国大会の優勝争いなんて経験したことがありませんから、前半からピンを狙ってどんどん攻めるわけです。その結果、池に3発くらいぶち込んで5オーバー77。首位と10打差の通算7オーバー8位に終わりました。何とか翌年のシード権は獲得しましたが、結果的に、ボクのゴルフはこの年がキャリアハイで、そこから下降線をたどっています。実はこのとき、使用していたドライバーのヘッドが破損してしまったんです。ヘッドもシャフトもまったく同じスペックのスペアがあったので交換しましたが、プレーは同じようにできない。ゴルフは技術だけでもない、なんて奥深いスポーツなんだと思いました。

シード選手として臨んだ22年11月の日本ミッドアマは、初日76、2日目80、最終日81の50位タイと惨敗。23年4月の県アマ予選では87を叩いて予選落ちを喫し、競技ゴルフをやめようと思うくらい落ち込みました。24年は中国アマ31位タイ、中国ミッドアマ2位、日本ミッドアマ8位タイと何とか巻き返し、25年の日本ミッドアマのシード権を獲得しました。今年は11月19~21日に滝の宮カントリークラブ赤石・別子コース(愛媛県)で開催される日本ミッドアマに照準を合わせ、修業を続けます。

前田 智徳

まえだ・とものり。1971年生まれ。熊本県玉名市出身。熊本工業高校時代は春・夏3回の甲子園出場。広島カープに入団2年目、19歳でゴールデングラブ賞に輝く。天才的打撃センスで、通算安打数2119を誇り、現役時代の異名は「孤高の天才」。引退は2013年

週刊ゴルフダイジェスト2025年5月27日号より