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あふれる情報の中から必要なものを取捨選択できる。コーチから見た松山のすごさ

TEXT/Masaaki Furuya ILLUST/Koji Watanabe

松山英樹のコーチを務める目澤秀憲、松田鈴英のコーチを務める黒宮幹仁。新進気鋭の2人のコーチが、最先端のゴルフ理論について語る当連載。第36回は、松山英樹のコーチとして、間近で見てきたからこそわかる彼のすごさを目澤コーチが話してくれた。

GD 目澤コーチから見て、改めて松山英樹プロの凄いところって、どんなところですか。

目澤 練習で普段やっていることって、意外と地味なことなんですよ。それを続けられるところが松山プロの凄いところだと思います。

GD 一昨年、ルックアップ(※1)の練習をやってる姿を見て、それは感じましたね。世界の一流プロが、こんな地道な練習をやるんだって。

目澤 そういう課題に対してひた向きなストイックさがあるからこそ、コーチとしては出す課題に納得をしてもらうのが、ある意味、大変なことではありますよね。

GD この3カ月間、2人のやり取りはどのようなものでしたか。

目澤 僕が考えていることを伝えたり、逆に松山プロが思っていることを僕が聞いたりして、どういう練習をするかを考え、落としどころを見つけるという感じです。

GD 松山プロから、スウィングに関するようなインプットしてきた情報を提案してくることもあるわけですか。

目澤 それはあります。今は情報があふれていて、いろんな情報を手に入れられますからね。

GD どんなものから情報を得ているんでしょうか。

目澤 ゴルフ絡みのインスタグラムとかですかね。

GD クラブハウス(※2)はやっているんですか。

目澤 やっているのかな。多分、聞いてはいないと思います。

GD 英語の情報を松山プロは見ていないんですか。

目澤 いや、見ていますよ。僕に見せてくる情報の中には英語のものもありますから。とにかく探求心とか好奇心が強いですよね。違う方向に進みそうだなと思ったときは、そこはケアします。これは要らないんじゃないって感じで話すと、やっぱそうですよねというふうになったりします

GD 膨大な情報の中から取捨選択ができているわけですね。

目澤 そうなんですよ。今は、これだけ情報があふれていると、それに流されて自分のゴルフを見失いやすい環境にあると思うんですよね。アマチュアの人もそうですが、プロでもそういうケースはあると思います。でも松山プロは、自分のゴルフを考え切ってやってきた人だから、自分に必要なモノを取捨選択する力が備わっていると思うんですよ。その見極めができる人なら、コーチだけじゃない解決方法を模索するために、SNSを活用することもアリだと思います。僕自身、技術コーチをやらせてもらっていますけど、「選手という木」を育てるのに、コーチというのはひとつの要素であって、他にもトレーナーやメンタルトレーナーとか、皆で協力して強い根っこを張らせる必要があると思っています。その上で、「良い水」を与えられたら、選手は自分で花を咲かせると思うんです。その後は「幹を太くすること」が僕らの仕事です。選手はコーチやSNSなどから新鮮な水を得ようしますから、僕らもいつまでも新鮮な水を与えられるように情報のインプットやアップデートなどの努力をしていかないといけないと思っています。

(※1)ルックアップ……アニカ・ソレンスタム、デビッド・デュバルなどのスウィングに見られる、インパクト時に顔が目標方向を向く動作。松山英樹は以前、このルックアップの動きを練習に取り入れていた(週刊GD2019年11月26日号掲載)。(※2)テーマ設定した「ルーム」で多くの人が雑談しそれを聞ける音声SNSアプリ。ユーザーにメッセージで招待してもらうか、ユーザーネームを登録してウェイトリストに入ることで参加できる

目澤秀憲
めざわひでのり。1991年2月17日生まれ。13歳からゴルフを始め、日大ゴルフ部を経てプロコーチに。TPIレベル3を取得。2021年1月より松山英樹のコーチに就任

黒宮幹仁
くろみやみきひと。1991年4月25日生まれ。10歳からゴルフを始める。09年中部ジュニア優勝。12年関東学生優勝。日大ゴルフ部出身。松田鈴英、梅山知宏らを指導

週刊ゴルフダイジェスト2021年5月4日号より