【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.224「人と打ち解けるにはラウンドすべし」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
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- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Yasuo Masuda >>前回のお話はこちら 今週もドライバーのお話です。最近、ミニドライバーとか言うて、340㏄くらいの小ぶりのドライバーが出てきてます。打ってみましたが、打ちやすいけれど、やっ……
以前このコラムで、ユーチューブの『TASKGOLF』でゴルフサイエンスを世のゴルファーに説いているマツモトタスクさんのことを紹介しましたが、先日、彼のセッションコンペがあって、そこにちょっと参加させてもらいました。
最初のとっかかりは、3年ほど前にたまたまタスクさんのYouTubeを見たときに彼が、体の正面でクラブをクルクル回すことを推奨していたんです。それはプロになる前から僕もやっとったことやったし、ドライバーがイップスになっていた頃やったんで、ちょっとこの人と話をしてみたいと思ってSNSで連絡をとって、それで知り合いになったんです。
前にも話したかもしれませんが、彼は長年イギリスで国際金融関係の仕事をされていて、そのときにゴルフにハマり、それなりのスコアも出るけど、もうひとつやったと。それで帰国してから、いろんなコーチのところに行って話を聞いたけど、自分が納得のいく答えを言った人は一人もおらんかったと。
そんなとき、アメリカにスウィング中の体だけやなしに、クラブの動きにフォーカスするマイケル・ジェイコブスという人がおるんを見つけたそうです。彼が提唱する『ジェイコブス3D』という理論を学ぼうと、現地で数年間勉強し、その理論を自分に落とし込んでみたら見事にゴルフが上手くなって。それで自分の経験を踏まえて、身体運動学やクラブ力学をベースにしたゴルフ上達の理論をYouTubeで流しているわけです。
僕としたら、せっかく知り合ったからアドバイスもしてほしい思うのに、彼はプロに対しては滅多なことは言えないと、まあ、遠慮してるわけです。
それで今回のセッションで初めてハーフ一緒に回ったんですけど、僕がうらやましいと思うほど素晴らしいスウィングをしていたし、イギリスでゴルフをしてきただけあってプレーぶりがすごくよかった。
何よりプレーが早い。その印象を話すと、それまで遠慮がちだったタスクさんから初めて、彼の理論で体の動きに関する具体的な話を聞いたんです。詳しい内容は次回話しますが、ゴルファー同士、打ち解けるんはラウンドをするのがいちばん手っ取り早いということです。

「いろいろと勉強してはる人を発見するんは、本当に面白いです」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2025年5月6日号より