【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.163「ボールが池に吸い込まれるのは理由があった」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!
ILLUST/Masaaki Takauji
>>前回のお話はこちら
- 家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載! ILLUST/Masaaki Takauji >>前回のお話はこちら 季節はすっかり初夏。ゴルファーは長~い冬眠が明け、ぼちぼちラウ……
池ポチャ。言い方は可愛いけど、実態は可愛くないよね。そもそも、池のないコースって日本にあるのだろうか? ボクは記憶にない。でも、あんなものなくていいのにーと思った人は残念。池は景観美や戦略性を高める以外にも、調整池の役目もあるから、なくてはならないものなのだ。諦めて付き合うことにしよう。だってどんなにうまい人でも、池に入れた経験がない人はいないでしょ。
問題は付き合い方。先日も知り合いが「1ラウンドで10発も入れた」と言っていたが、それはもったいないしかない。スコアももったいないし、ボールももったいない。
「気にするなって言われても、気になる」と言うが、確かにあんなデカイもの、否が応でも目に入るので気にしないのは無理。なので、ボクは見てもいいと思っている。
ただし、池そのものを見てもなんの意味もない。涼しそうだなとか、カモがいるなとか、そんな感想しか出てこないだろう。見るべきは、池ではなく、池の手前である。よく見ると……いや、よく見ずとも池の手前は必ず池に向かって下っている。これを、認識してほしい。
さっきも言ったけど、池は調整池の役目も果たしているので、絶対的に低い位置にあるのだ。砲台グリーンの上に池を作っても調整池にならんしね。
ということは! 谷越えの池はともかく、普通の池はフェアウェイからなだらか~に池に向かって傾斜しているってこと。一見、セカンド地点はフラットに見えても、実はコース全体を見ると傾斜しているわけである。その点を忘れずに。
たとえば、グリーン右手前に池があるなら、セカンド地点はつま先下がり。グリーン左手前に池があるなら、セカンド地点はつま先上がりってこと。それを考えずに打つとどうなるか……当然つま先下がりのライはスライスしやすい、逆につま先上がりのライはフックしやすいから……普通に打つとまんまと池に吸い込まれるのだ。それどころか、右の池を避けようとして、左を向けばもっとスライス、左の池を避けようとして、右を向けばもっと引っかけるので、やっぱり気持ちよ~く池に吸い込まれるのだ。まさに設計者の思うツボ。

ではどうするか。簡単である。左に池があるつま先上がりのライなら、気持ちつま先に体重をかけて、つま先下がりのイメージで打つ。右に池があるつま先下がりのライなら、気持ちかかとに体重をかけてつま先上がりのイメージで打つ。つまり、傾斜と反対に体重をかけて相殺する感じで打つ。そうすれば、そこまで池に吸い込まれることもなくなるだろう。もちろん、絶対、絶対、入れたくなければ、絶対、絶対、届かないクラブで打つ手もあるけどね。
というわけで、池を100%避けるのは無理だけど、よりよく付き合うのは可能。夏に水を見ると気持ちがいいけどゴルフの場合は、ちょっと体重配分に気をつけて、できるだけ池ポチャを減らしてみましょう!
全員がチャンピオン! 二宮家

週刊ゴルフダイジェスト2020年7月28日号より