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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.2「バンカーショットはまずソールして打とう」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

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  • 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi 皆さんゴルフに励んでおられますか? こちらは前期高齢者となり、飛距離が落ちて嘆いています。ドライバーなら190ヤード飛べばましなほう、昔は210ヤードぐらい飛んでいたんですけどね。だから以前は……

バンカーショットはソールして打ちましょうだって? いきなりルール違反の話を推奨されて、戸惑うと思いますが、これはあくまでバンカー練習場内での行為です。

なんでこの話を書くかというと、以前ローリー・マキロイ選手のバンカー練習動画をYouTubeで偶然見て、感銘を受けたからです。彼は砂に触れながらウェッジをソールしていました。つまり砂質や硬さなどを確かめ、それから練習を開始したのです。

なるほど、そこでひらめきました。アマチュアは練習でもいきなりソールをしないで打つからバンカーショットが下手なのだと。トッププロですら、砂の状態とヘッドの刺さり具合を確認してから、ショットをしているじゃないか。

だったらアマチュアは、まず砂にソールをして普通に打ってみろと。それすらできなかったら、ソールをしないバンカーショットが、打てるはずないじゃんね。

そのことに気づいたのは約2年前ですが、それからは苦手だったバンカーショットが、さほど苦にならなくなりました。

さてどうやって練習したかですが、まずバンカーがある練習場を探すことから始めました。しかも混まずにゆったり練習ができる、時間単位で貸してくれる、独占使用できるバンカーが理想です。だって他の人がいるバンカー内でソールをして打ったら、隣のおじさんから「いかん、バンカーショットはソールするんじゃない!」と説教されそうですから。

2年ほど前に、通っていた近所の練習場が閉鎖しました。そこはバンカーがないのです。だから過去10年間そこに通い、その間はバンカーが苦手でした。だってバンカーはコースで、ぶっつけ本番でしか打ってないですから。たまにゴルフ場のバンカーで練習をしますが、ショットやパター練習が優先で、バンカー練習はお茶を濁す程度。しかも人前じゃソールして打てないしね。これじゃ上手くなりませんよ。

その後、仕方がないのでやや遠い、別の練習場を探して行ってみます。するとそこは専用のバンカー練習場があり、時間貸しをしているのです。なんというタイミングの良さ、さっそくマキロイ選手を真似て、ソールしたバンカーショット作戦を開始しました。

バンカーにはどのSWが適しているのか? 最初はよく分からないので、多めに用意しました。バウンスが少なめなのと多めなのはもちろん、ほか60度のLWやAW、PWなどを用意し、ソールして打ちまくります。砂質も自分で盛り砂をして、ふかふかにしたり、同じ場所をしつこく削り、へこみを付けたりと、砂を変幻自在に変えてバンカーショットしまくります。

バンカーショット理論は
いろいろあるけれど……

打ち方は足をややオープンにして、軌道は分かりやすく真っすぐに。フェースはそのままって感じですか。バンカーショットは、打ち方をごちゃごちゃ言う人が多くてホント困ります。

ボールの手前5センチを打てという人がいるんですが、それはどうでしょうか? パワーがある人なら、ダフって砂ごとボールを運べるかもしれませんが、現在シニアゆえ非力なもので、砂ごとボールを打つのは至難の業です。

あくまでシンプルにクラブを上から振り下ろす。だまされたと思って普通に打ってみましょう。案外、ボールは外に出るものですよ。

そもそもSWは、バンカーで打てるように設計されているのですよね。ならば直接打てば良くないですか? なのにフェースを開け、足を開け、ボールの手前を打てと外野がうるさい。誰かそのまま打って出せるSWを発明してくださいよ、マジでお願いします。

というわけで低い球、チョロ、ホームラン性の打球などでいいから、まず普通に打ち、自分のサンドウェッジのポテンシャルを確認することから始めました。

あと次第に慣れてきたら、自分でもっと当たる打ち方を模索します。いや~これがね、制約なしに打つと結構当たるんですな。練習だからボールを好きな位置に置けるし。実に砂遊びが楽しいなあ。十分ソールしたバンカーショットを楽しんだ後、最後の仕上げにソールをしないで打ってみる。するとボールとクラブフェースの距離間をよく認識でき、簡単に打てるというわけです。この練習法を発見した時は目からウロコでした。なんで今まで、ソールをしないでバカ正直に練習していたんだろう。ボールとの距離感がつかめないからミスの連続でした。

だまされたと思って一度、ソールした練習をやってみてください。練習では違反じゃないですから。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号より