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グリップを太くしたらデシャンボーみたいに飛ぶようになる?

ILLUST/Kochi Hajime

東京下町でゴルフ工房を営む店主がギアに関する悩みに答える連載「頑固オヤジのクラブ工房」。今回のお悩み、ドライバーのグリップの太さについて。

Q.デシャンボーの太グリップ
真似ると飛ぶようになる?


飛ばし屋のブライソン・デシャンボーが太いグリップにしているという雑誌記事を読みました。少しでも速く振れるようになるなら試してみたいと思いますが、どんなスペックがいいですか?(43歳・HC12・会社員)


手首の動きが少なくなる

まだ春先なのに、初夏の陽気とか妙に暑い日が多いよな。それでも夜は冷えたりするから、ホント、体調管理には気をつけないと。

そういや、オーガスタナショナル女子アマ、日本選手が勝ったね。梶谷翼。やっぱりメジャー開催コースはアイアン巧者が強いな。

でも、ウチの常連さんは、アイアンチューンは二の次でドライバー第一がほとんど。少しでも飛ばせるようになりたいチューンばかり相談に来るんだよ(笑)。

「デシャンボーがドライバーをチューンした、という記事を見たんですけど。シャフトやヘッドを軽くして、グリップを太くて重いモンにしたんだとか。それで、さらに飛距離アップしたそうなんですが、私も真似したら飛ぶようになりますかね?」

ウチの担当さんの知り合いで、出版社に勤める月イチゴルファー。学生時代はテニス部で、体力には自信があるそう。ドライバーはキャリーで240ヤード飛ぶらしいから、かなりの飛ばし屋だな。

「太グリップね……。まあ、スウィングとの相性次第かな」

「私、右手が強いんで、以前オヤジさんに右手の下巻きを増やしてもらいましたよね」

「ああ、フックのミスをなくしてくれ、っていうから、グリップのテーパーを減らしたんだったな」

「じゃあ、太グリップ、相性良さそうですよね」

やれやれ、それなら最初から太グリップのチューンにするさ。

「いや、太グリップは重量が効いてくるからな。それに、左手部分も太くすると、手首の動きが少なくなりやすい。タメが浅くなるかもしれないから、逆に飛ばなくなることもあるんだよ」

重くしすぎると振り遅れる

「手首の動きが抑えられて、タメが浅くなる……方向性は上がっても飛ばなくなりそうですね」

「ただ、オイラの考えはちょっと違うんだ。細いとフェースターンしやすくて、太いとリリースを促しやすいと思うんだよ」

「どういうことですか?」

昔から、非力なスライサーには細いグリップがいい、なんて言われてるんだが、オイラの経験的にはそうでもない。

「細いと、インパクトエリアでキュッと右手が効きやすいからフェースが返りやすいとは思うんだが、それだと根本的なスライス修正にはならない。スウィングが落ち着きにくいんだよ」

とはいえ、太いグリップではフェースを返せない……が、手首が緩みにくいせいか、リリースが遅れにくくなる。

「竹竿がしなるみたいに、パーンと戻りやすくなる。すると、笠りつ子とか尾崎直道みたいに、コッキングはほどける感じだけど、体のターンとヒンジングのタメが効くのかな、つかまって飛ぶんだ」


手首をカクッと折るんじゃなくてしならせる使い方。デシャンボーもそんな感じだよな。

「クラブには重心アングルがあるから、ホントは返さなくても勝手に返る。だからリリースで走らせるだけでいいから、非力でも太くていい。特にテニスとか野球のピッチャー経験者なんかは、ヒンジングのタメとリリースの感覚がいいから、オススメだね」

「じゃ、私も早速、太く……」

「ただし、重いと逆にリリースが遅れるようになるから、その兼ね合いに注意しないとダメなんだ」

グリップが重くなると、インパクトで手元が流れやすくなる。だから、叩いていきやすいということもあるが、太さと重さのバランスを見極めることが大切。

「試しに、ヘッドに貼る鉛板とか、重量物をグリップに巻きつけて試してみるのもいい。振り遅れない重量を見つけたら、市販の太モデルでもいいし、下巻き調整とかでもトライしてみるといいよ」


月刊ゴルフダイジェスト2021年6月号より