【ゴルフせんとや生まれけむ】亀山つとむ<前編>「ゴルフは“飲み”よりも良いコミュニケーションが取れる気がします」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、元プロ野球選手の亀山つとむ氏。
ちょっと前の話になるのですが、やらかしてしまいました(笑)。日本プロ野球OBクラブの関西のゴルフのイベントで106点です。叩きましたねぇ。
えー、普段使っているノックバットとゴルフクラブではバランスがちょっと違って、あと距離もあるしグリーンが速くてなかなか……というのは言い訳で、ちなみに僕の後ろの組では元オリックスの藤井康雄さんがシャンクをしているのが見えました……というのは余談です(笑)。
でも、ゴルフの日、早朝にティーイングエリアに立つのは気持ちのいいものです。野球の現役時代は、朝まで飲んでそのまま仕事なんてこともありましたが、今は「履正社スポーツ専門学校」や「北大阪ボーイズ」でコーチをしているので、すっかり朝型人間になりました。昔は、ヘッドスライディングのほか、遅刻が僕の代名詞でしたが変わりましたよ。僕だけの話ではありませんが、かつては“飲みニケーション”なんて言葉もあって、遅くまで飲んでコミュニケーションを取ったりしたものですが、今はそういう時代じゃないですよね。
コロナ禍もあって、飲みに行くのもままならなくなり、コミュニケーションならゴルフという感じになり、その時期に会員権も買いました。適度な運動にもなりますし、飲みよりもいいコミュニケーションを取れる気がします。ゴルフなら人脈も広がりますね。ただ、ゴルフだとプレースタイルで人となりが見えるでしょう。だから、逆に「この人とは距離を置いたほうが良さそうだな」となることもありますね。
調子が悪くなると、押し黙ったり、ふてくされたり、メンテが悪いなどとゴルフ場の文句を言いだしたり。キャディさんにラインを聞いて「フックです」と言われたら、わざわざ「本当に?」と聞き返す人とか……性格が出ます。
でも、人のことが見えるということは同じように自分も見られているわけですから、襟を正さないとなとも思います。自分を律するというのかな、この年齢になるとなかなかそんな機会もないでしょう。技術的には下手ですが、そういうところはしっかりしたいですね。
緊張? それはあんまりしないです。ティーショットの際、後続組の人たちが集まってきてみんなに見られることはありますが、そこはね、僕は5万人の観衆がいる甲子園でバッターボックスに入っていた人間ですから大丈夫なんです(笑)。
野球と違ってゴルフは、僕の場合失敗して当たり前なんで、自分への期待もないから平気なんですよ。ゴルフは野球のように血のにじむような練習はしていません。打ちっ放しで練習しすぎて血尿が出たとか、ないですもん(笑)。だから、ある程度失敗するのは当然で、うまくいったら儲けものくらいの感覚です。ふざけるのではないですが、楽しくプレーできればいいという典型的なエンジョイゴルファーです。
ちなみにベストスコアは現役を引退した後すぐの84だったかな。あの頃は良かった(笑)。最近は80台もなかなか出なくなっちゃいました。飛ばなくなっちゃったんですよー。

亀山 つとむ
かめやま・つとむ。1969年生まれ。鹿児島県出身。鹿屋中央高卒業後にドラフト外で阪神タイガース入団。1992年に右翼手としてレギュラーを奪取すると新庄剛志と共に“亀新フィーバー”を巻き起こす。現在は毎日放送・GAORAの野球解説者、スポーツニッポンの野球評論家を務めるほか、「履正社スポーツ専門学校」の野球コーチ、「北大阪ボーイズ」の監督も
週刊ゴルフダイジェスト2025年3月11日号より