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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.847「毎回違う打席で練習すると良い発見がありますよ!」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

前回のお話はこちら


練習場へ行った時はいつも決まった打席で打つようにしています。少しのズレでも気付くからです。プロの場合、トーナメントでの指定練習場を含め、打席の選び方にこだわりなどあるのでしょうか。(匿名希望・47歳・歴25年)


昔と比べて、市街地にあるゴルフ練習場の数が減りましたけど、逆にいまはインドア練習場などが増えて、ゴルフを始める若い人たちが増えていると耳にすることもあり、うれしく思います。

プロはゴルフ場で練習しているから街中にあるゴルフ練習場はあまり行かないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

自宅にトレーニングルームを造ったり、アプローチやパッティングの練習施設を備えているプロはいますが、住んでいる近くの練習場に行く場合もあります。

ふと「練習場で打ちたい!」と思い立つことがありますし、わたしにもそういうときがありました。

ただ、練習場へ行く目的は人によってさまざまだと思います。

毎日一定の球数を打ち込みたい。

スウィングの課題を解決したい。

体がナマってる感じがするので筋肉を動かしたい。

もしくは、社交場としてみんなでお茶を飲んでいるなんて人もいますよね(笑)。


ちなみにわたしの場合は、練習場では座って休んだりはしません。

練習場に行けば、徹底してボールを打つことに集中します。時間を置かず次から次に打ちまくるという意味ではありません。

一球一球、どこへどのようなショットを打つかをしっかりとイメージしながらボールと向き合っています。

一球に集中して練習すると何百球も打つことはできません。

ですから、周りの方に見られると気になってしまうことがあります。

昔のことですが、ゴルフ練習場で打っている間にわたしの打席に人垣ができてガヤガヤし始めてしまったときがありました。

とても言いづらかったのですが、意を決して「練習中なのでそっとしておいていただけますか。申し訳ありませんが集中させてもらえませんでしょうか」と、お断りを入れさせてもらったことがありました。

試合会場でギャラリーの方々に練習風景や実際のプレーを見ていただくのはお仕事ですが、試合会場以外での練習に関してはちょっと……。

プロゴルファーが一般のゴルフ練習場で打つ場合、多くが右か左いずれかの端の打席や2階打席を選ぶのは人目を集めたくないという理由もあります。

あと、その練習場専属でレッスンしているプロがいる場合はとりわけ、人目を引くのは失礼に当たるので、行った際には挨拶をするのも礼儀であります。

なかには「目立ちたい!」というプロもいて、ど真ん中で打つ人もいるでしょうけどね。

いつも同じ打席で打ちたいという人もいるでしょうけど、わたしは打席を固定していませんでした。

コースに行けば「同じ条件がない」のがゴルフです。

さまざまなシチュエーションを想定して、一打一打に集中するのが本来の練習だと思っているからです。

だからこそ、毎回同じ打席にこだわる必要はないと思うのです。

もし打席を固定しているというのであれば、新年を機に特定の打席にこだわらないゴルフ練習場の使い方を始めてみてはどうでしょう?

いままで経験したことのないような、ものすごい発見があるかもしれませんよ!

「環境を変えることで、人って成長していくんですよね」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2025年1月28日号より

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