Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • コラム
  • 【名手の名言】C・B・マクドナルド「スコットランド人が、何かのはずみでティーから落ちたボールを再びティーアップしたのを見たことがない」

【名手の名言】C・B・マクドナルド「スコットランド人が、何かのはずみでティーから落ちたボールを再びティーアップしたのを見たことがない」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はコース設計をはじめ、米国ゴルフの礎を築いたC・B・マクドナルドの言葉を2つご紹介!


私はかつて一度も
スコットランド人が風や何かのはずみで
ティーから落ちたボールを
再びティーアップしたのを見たことがない

C・B・マクドナルド


全米ゴルフ協会(USGA)創立者であるC・B・マクドナルドは、青年時代、セントアンドリュースに留学し、そこで4年間ゴルフに打ち込んだ。その時の感想が表題の「言葉」である。

スコットランド人のゴルフの不文律〈ボールはあるがままにプレーせよ〉が、米国人であるマクドナルドにはそれまでよく判らなかったが、セントアンドリュースにきて初めてその意味が理解できたというのだ。

スコットランド人は規則より精神を尊び、ズルをしてそれが露見すると2度と仲間に入れてもらえなかった。そして、マグドナルドは回顧録の中でこう結んでいる。

「規則を修正しようと考えるのは異教徒だ。この偉大なゲームは修正しようと考えてはいけない。諸君のすべきことはゴルフを改良することではなく、諸君のプレーを改良することだ」

スコットランドにおいて、ゴルフは単なる“競技”ではなく、アイデンティティそのものであることが理解できる名言だろう。


すべてのコースの母型は
ロイヤルドーノックに宿る

C・B・マクドナルド


スコットランドの北部、エンボ湾に面した海岸沿いに広がる36ホール、ロイヤルドーノックをこよなく愛する人は多い。1616年にはこの地でゴルフが行われていたという記録が残っている。

そのこよなく愛した人の代表は、ゴルフ史の名著『ザ・パーフェクト・ゴルファー』を著したヘンリー・ニュートン・ウイザーレッド。別荘まで建ててこのコースに入り浸った。結果、息子ロジャー、娘ジョイも歴史に残るゴルファーとなった。

ヘンリーは「誰もが死ぬまでには一度はドーノックを訪れるべし。ドーノックを見ずしてゴルフを語るなかれ」と著の中で熱く書いている。

米国に移住し、600コースを設計したC・B・マクドナルドもこの地の出身。表題の「言葉」を残した彼の頭の中には、ドーノックが原型としていつもあったに違いない。

■チャールズ・ブレア・マクドナルド(1855~1939)

カナダ・オンタリオ州生まれの米国人。アメリカ人ゴルフ設計家第1号である父親が、1892年に9ホールのコースをシカゴに造成。その影響を受け、チャールズはシカゴに18ホールを設計した。シカゴゴルフクラブの発祥である。その後、東海岸を中心に約12カ所のリンクススタイルのゴルフ場を設計し、スコットランドの名ホールの粋を集めたといわれている。競技者としても一流で、1895年に開催された第1回全米アマの優勝者である。またUSGA(米国ゴルフ協会)の創始者で、「アメリカゴルフの始祖」と敬われる。

こちらもチェック!

  • レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はコース設計をはじめ、米国ゴルフの礎を築いたC・B・マクドナルドの言葉を2つご紹介! つい不平を言いたくなる状況は多々あるが……(PHOTO/Hiroaki Arihara) ロストボールをしたからといって不平や愚痴を言……
  • レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は米国コース設計の父とも称されるC・B・マクドナルドの言葉を2つご紹介! C・B・マクドナルドは有名なナショナル・ゴルフリンクス・オブ・アメリカの設計でも知られる バンカーに入る危険を冒すのは自らに課した冒険である ……