【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.138 ベスト更新以外は全部「普通」と考えよう
家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!
ILLUST/Masaaki Takauji
「今日の調子はどうでしたか?」
アマチュアの試合でも、記者からインタビューされることがある。
「普通です」
ボクはいつもこう答える。きっと記事にしにくいだろう。すみません。
ライバルに手のうちを見せたくないからではない。これが一番、気持ち的に楽だからだ。だって、「絶好調です」と答えると、気負って空回りしそうだし。かといって「イマイチです」と答えると、本当にイマイチになりそうで嫌。というのもあるが、実際、大半は本当に「普通」なのだ。
ボクはベストが59だから、58以下だったらさすがに「絶好調」だけど、59だったら普通。逆に100以上叩いたら「絶不調」であるが、99でも「普通」だ。つまり、ベストスコア以上と、恥ずかしくて絶対、絶対人に言えないスコア以外は、全部「普通」なのだ。そう思えば、気持ちの浮き沈みもなく、平常心が保てる。
みなさんの「普通」はどのくらい?
100を数回切った人が、110を叩き「最悪」「マジで調子悪い」と泣きそうになっていたり、普段は80台の人が90台後半を叩き、激怒りしているのを見たことがある。たった10や15違うだけなのに……。ボクなんて59~99が「普通」よ。だから、10や15の差なんて、全然「普通」、むしろ「普通」のど真ん中だ。
ひょっとしたら、みなさんは「普通」の幅が狭いのかもしれない。アマチュアゴルファーなんて80のときもあれば100のときもある。100のときもあれば140のときもある。それが「普通」だ。
ボクが思うに「普通」の幅は広いほうがいい。そうすれば80台で回る人が100を叩いても落ち込まずに済む。最後まで楽しくゴルフができ、次もまた頑張ろうという気分になる。
逆に、調子がいいことを意識した瞬間、緊張して大叩きすることもあるよね。だから、ちょっとぐらい調子がよくても「普通」だと思ったほうがいい。そうすれば、気楽にプレーできるってもんだ。要するに、平常心が大事ってこと。いい意味で淡々とプレーしていると、そのうちスコアが好転してくる。
最初は90~120までが「普通」だった人も、気づくと80台が出るようになる。そうしたら、今度は80~110までを「普通」とすればいい。いきなり、でっかい目標を立てるより、「普通」のゾーンを徐々に下げていくことを目標にする。そっちのほうが、気負わず上達していけるだろう。
でも、同伴競技者から「OOさん、今日は調子がいいですね~」と褒められたり、「OOさん、どうしたの? 今日は調子悪いね」と心配されたときに、真顔で「普通です」と答えると、愛想がない。対面的には「ぼちぼちです」「可もなく不可もなくです」「いつも通りです」ぐらいのほうがいいかな。
なんて、いつも「普通です」と答えるボクに言われたくないか(笑) 。まぁ、言い方は各自にお任せするとして、「普通」の幅を広げる。これは絶対おすすめなので、次のラウンドから心がけてみて。
全員がチャンピオン! 二宮家
週刊ゴルフダイジェスト2019年12月31日号より