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【イザワの法則】Vol.45 ミスの幅の狭いクラブを“スタメン”にしましょう

クラブの最多携行本数は14本だが、アマチュアにとっては「14本も要らない」というケースも多い。自分にとって最適なセッティングはどうやって選ぶのか。また、1本1本はどんな基準で選ぶべきなのだろうか?

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

前回のお話はこちら

まず必要最低限の
クラブ本数を考えてみる

クラブは14本までバッグに入れていいというのがゴルフのルールですが、実際に14本必要かというと、それはまた別の話です。私自身も、ラウンドが終わってクラブを拭いているときに、「今日はこのクラブ使わなかったな」ということが時々ありますが、アマチュアの方だとそういうことが割と頻繁にあるんじゃないかと思います。もし数ラウンドに1回、使うかどうかのクラブがバッグに入っているとしたら、それはもう潔く抜いてしまって、代わりにもっと使用頻度が高そうなクラブを入れるほうがいいでしょう。

自分にとってベストな、「スタメン」とも言える14本を選ぶには、まず最低限必要なクラブはどれなのかということを考えてみるといいかもしれません。たとえば、私が「最少セッティング」でラウンドするとしたら、3ウッド、4番アイアン、7番アイアン、PW(48度)、SW(58度)、それにパターの6本を選びます。このセッティングで、パー5ではパー、またはバーディが取れそうですし、パー4でも7番アイアンで2打目が打てればグリーンには乗せられるので、7000ヤードくらいまでのコースであれ5オーバーくらいまでには収まるんじゃないかと思います。調子がよければアンダーパーもあるかもしれませんね。


使用頻度が低いもの
ミスの確率が高いものは
バッグに入れない

そうやってスタメンのベースになる番手が決まってしまえば、あとは何を足してもよくて、一応、理論上は足した分だけコース攻略が簡単になるはずです。ただ、アベレージスコア90台のアマチュアの場合、6本というのは少なすぎるので、ベースは10~11本といったところでしょうか。ウッドが2本(ドライバー、18度くらいの5ウッド)、ハイブリッドが2本(23~24度くらいと31度くらい)、アイアンが3本(7番=32度、9番=40度、PW =44~45度)、ウェッジが3本(48度、52度、56度)、それにパターの11本なら、たいていのコースで自己アベレージに近いスコアで回れるはずです。

3ウッドを外したのは、一般的に使用頻度が少なく、しかもミスの確率が高い(ミスヒットしたボールが散らばる範囲も大きい)クラブだから。また、アマチュアは飛距離を自分で加減して打つのが苦手なので、ウェッジは3本と、下を厚くするのがいいでしょう。

そうすれば、フルショットで対応できるケースが増えます。これをベースに、あとはホームコースの特徴だとか、自分自身の得意不得意を考慮して必要なクラブを足していけばいいわけですが、実際にコースを回ってみたら「何も足す必要がない」という結論になる可能性もあります。

スタメンのクラブは、できるだけミスの許容範囲が広いものを選ぶことが大事です。たとえば、同じ24度でもハイブリッドとアイアンだと、ハイブリッドのほうが、ミスが「大ミス」にならないやさしさがあります。一度、バッグの中身をじっくり見て、本当に必要な14本か、あるいは自分にとっていちばんやさしい14本なのかを点検してみてはいかがでしょうか。

「厳選した6本のクラブで
プロならアンダーパーで回ることも不可能じゃない」

基本的には下を厚く”しよう

ロングアイアン領域におけるハイブリッドの優位性は、当然ながらハンディキャップ(平均スコア)が多い人ほど顕著になる。ハイブリッドは同じロフトのアイアンと比べてボールが上がりやすく、またソール幅が広いので多少ダフっても大きなミスになりにくい

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2024年8月号より