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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.129 「1Wとパター以外は全部9I! 意外とベストが出ちゃうかも?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

トップアマは、普段から上手い人としか回らないと思われがちだが、そんなことない。100や120の人と回ることも、たまにある。そうすると、相手はボクに気をつかい、「下手ですみません」と恐縮する。で、少しでもスコアを縮めようと必死になる。距離をしっかり計測し、風を確認し、番手を熟考し……。それが、アカンのや。

アベレージゴルファーの共通点――それは、段取りが悪いこと。言ってはなんだが、距離を確認しても、打てんでしょ? クラブ選択を迷っても、当たらんでしょ? それを、迷ってどうする! ちなみに、バカにするつもりは一ミリもない。ボクはプレーがめっちゃ早いが、誰と回ってもまったくイライラすることはない。ただ、見ていてもどかしく感じるのだ。

以前、ベストスコアが120の男性と回ったとき……。のっけからドライバーをOBした彼は、プレーイング4のエリアで「次、何で打ったらいいですかね?」と聞いてきた。ボクは「9I。というか、次のホールから1Wとパター以外、全部9Iでいいよ」とアドバイスした。すると、その日95で回り、ベストを大幅に縮めることができた。

そう、100を切るだけなら、めったに当たらないフェアウェイウッドとか5Iは、はっきり言って不要なのだ。グリーンに近づきたいのはわかるけど、フェアウェイウッドを大ダフリして1センチしか進まなかったら元も子もない。それより、9Iを2回打つほうが断然、賢明だ。

距離に関しても、その都度キャディさんに聞いたり、レーザーで測ったりする必要なし。見た目で十分だ。「エッジまで150Y、ピンまで165Yです」って言われても、その距離打てないでしょ? 球を止められる技術がある人はいいけど、止められない人はエッジまで打っておけばOK。あとは、テキトーに転がって、そこそこの結果になる。だからヤーデージ杭を見て、だいたい150Yとわかれば十分である。風も気にしない。気にしていいのは70台で回る人。それ以上は、気にしないことのメリットのほうが大きい。風や距離など余計なことは考える必要はない。

みなさん難しく考えすぎなんよ。エッジまで130Yで、ピンが手前から20Yあって、でも、アゲてるから30Yみて…なんて考えているから、ミスするのだ。当たれば〇〇Yなんて思っているクラブは、大抵当たらない。それなら、2番手下げて手前から転がすか、潔く9Iで2回打つか。ボクなら、そのどちらかを選択する。というわけで、なかなか100が切れずに悩んでいる人は、ものは試しに1W、9I、パターの3本で回ってみて。スコアは、少なくともいつもと変わらないはずだし、うまくいけば、ベストが更新できるかもしれない。とにかくゴルフはシンプルイズベスト! これに尽きる。

アベレージゴルファーは、ショット前に余計なことを考えすぎる。風向きや距離などは気にせず、もっとシンプルに考えたほうがうまくいく


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年10月29日号より