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【名手の名言】ジミー・ディマレ「その当たりが長続きしないのは、そのヒントに固執しすぎるから」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はマスターズで3勝し、カラフルなファッションで人気を博したジミー・ディマレの言葉をご紹介!

左上がジミー・ディマレ。バイロン・ネルソン(右上)、ボビー・ジョーンズ(左下)、ベン・ホーガン(右下)とレジェンドが勢揃いした1枚


ゴルフってやつは
1つのヒントで当たりまくることがある
しかしその当たりが長続きしないのは
そのヒントに固執しすぎるからさ

ジミー・ディマレ


ディマレはダンディであった。金に糸目をつけず、服は一流ブティックで仕立て、それに合う靴は工場で入念に作らせた。それに会話も洒落ていた。あるとき、記者が

「ツアーで精神的にいちばん安定しているのは誰?」

と質問した。するとディマレは、しょっちゅう怒って逆上しまくるクライトン・ヘフナーだと答えた。目が点になった記者に

「だってヤツは怒っていない瞬間はなくて、怒りのボルテージが変わらず安定しているじゃないか」

と言った。そんなディマレが冒頭のような真っ当な言葉も残している。

1つのヒントで当たりまくる――誰もが一度や二度は経験があるだろう。いわゆる「開眼」というやつである。

上級者から指摘されて、雑誌やYouTubeで見て、プロの試合を観戦して……気づいたことを実践してみたら、いい当たりが連発。開眼した! とわめき散らすもつかの間、2~3ラウンド後には、あのときの感覚はどこへやら、途端にまた閉眼してしまう。

いわゆる「オーバードゥ」(=やりすぎ)。体重が左に乗りすぎていたのを指摘され、右に体重を乗せるように意識すると、最初はちょうどいい塩梅の体重配分になるが、それに固執すると過度な右足体重になって違うミスが出てきてしまう。

ニュートラルな状態はほんの一瞬。開眼と閉眼を繰り返すのはいつの時代もゴルファーの悲しき性ということなのだ。

■ジミー・ディマレ(1910~83年)

米テキサス州生まれ。ツアーではカラフルなファッション、エスプリの効いた言辞で人気を博した。マスターズは40、47、50年と3勝。全米オープンでは48年、ベン・ホーガンの後塵を拝し、惜しくも2位。57年、霞ヶ関CCで行われたワールドカップへ米国代表として来日。

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