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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.171「パフォーマンスの妙味」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

前回のお話はこちら

ここ数年の男子ツアーの人気低迷の一因として、プレーの合間のパフォーマンスが少ないとか、喜怒哀楽を出さん選手が多くて面白くないという意見もあるようです。

まあプロスポーツですから、お客さんに見て楽しんでもらわないといけないので、パフォーマンスも大事や思います。


僕の好きなチチ・ロドリゲスさんは「フェアウェイの道化師」といわれ、パターをサーベルのごとく振り、腰の鞘に納めるグリーン上でのパフォーマンスはギャラリーの人気を博しました。しかし、アレは名人がやるから絵になることであって、普通のプロがやったら、「あいつ何やっとんねん」いう話になりますからね。

僕なんかはどちらかというと喜怒哀楽を出さんほうですけど、これは、そう教えられたからです。バーディ取って、「オラ見たかぁ!」みたいなことはやるなと。勝負を争う相手とはいえ、一緒に回っている二人に対する気配りもできんのは人としてあかんやろいうことです。

自分が先に球を打って、サッサと先に歩いていくなんてことはすな、人が打つのを見てから行きなさい、と。まあ、行儀やね。そういうことをうるさく言われました。

ただね、初めてツアー競技に出たペプシ宇部いう試合のときですわ。ショートホールでバーディを取ったときに、初めての試合やからエキサイトしていたんでしょう、教えをすっかり忘れて、「ヨシ!」いうて小さくガッツポーズしたんです。

そしたら、一緒に回っていた出口榮太郎さんと井上幸一さんやったと思いますが、「おい、あいつガッツポーズやってるぞ」言うてるんが聞こえて。それで、あ、やっぱやったらアカンねんなと思いました。

それからは、バーディを取った後は手を上げたり会釈する感じでやっていたんです。そしたら、ツアーでもある程度名前を知ってもらった頃に、ジェット(尾崎健夫)に、「おまえガッツポーズくらいやれよ!」って言われてね。そういう時代ですわ。 

まあ、いろんな人がおっていいんやないですか。ポーカーフェースの人もおれば、自然にパフォーマンスをする人もいて、それをお客さんも楽しんで見てくれるのであればええやないですかね。

フェアウェイの道化師の剣さばき!?「名人、チチ・ロドリゲスやから、こんなパフォーマンスも様になります」

奥田靖己

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2024年4月2日号より