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【大人ゴルフの歩き方】Vol.37 練習は裏切りましぇ~ん!

スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi


第37講 練習は裏切りましぇ~ん!

①ゴルフは練習しないとダメよ
②努力は才能に勝るんだから


まず練習場シングルになる

全国500万人のアマチュアゴルファーの皆さん、満遍なく叩いてますか? では一生懸命ゴルフをやっているのに、なぜそんなに叩くのでしょう。それはラウンド数が、練習数より上回っているからです。理想は1回ラウンドするなら最低1回の練習をし、プレー当日コースで練習をすること。さすれば大して叩かずにラウンドできるでしょう。

とはいえ、やみくもに練習をしていては、レベルアップは到底無理な話。そこでまず目指すは練習場シングルになることを勧めます。それはドライバーを練習場で打てば8割は真っすぐ飛び、2割がやや曲がってラフに転がる感じですか。ボールが左右のネットに当たるなんてもってのほかです。100ヤードのアプローチは全部ナイスオン。毎回グリーンに乗るものだから、もはややることがない無双状態。それぐらいの腕前になって、やっと練習場シングルを自負してよろしいかと思います。

ですがその腕前でコースに出ると90前後のスコアかな。時々80台が出るかも。やっぱり練習と本番は違うんです。そこで今度は効率的な練習方法を考えてみましょう。


ラウンド数

アマチュアの場合、ラウンドが先に決まる。それに従って練習を組むと、どうしてもスケジュールに無理をきたすわけ

練習場シングル

練習場は平らで風もさほど吹かず、ライも良い。そこなら毎回ナイスショットできると思うでしょう。それがなかなかどうして

やることがない

毎回ナイスショットは流石に飽きる。そこで練習場でやることがなくなったジジイが教え魔になりがち

90前後のスコア

実際のラウンドは、練習場のイメージでいうとスコアが10以上悪いでしょう。何事も本番とシミュレーションは違うのよ

効率的な練習をしてますか?

効率的な練習とは、直接スコアに結び付く練習のことを指します。

たとえばパットの練習をするとしましょう。皆さんは短い距離を入れる練習をしたがりますよね。2メートルが入る確率はプロでさえ約5割、アマチュアなんか5回に1回入ればまし。しかもアマチュアは短いとオーケーを貰うから打たないことが多い。さほど練習する必要がないのです。本当に練習すべきは距離は10メートル程度です。これをきっちりオーケーの距離に寄せられるかが大事。これがアマチュアのパットの極意です。

バンカーショットに至っては、硬い砂と軟らかい砂をひとつのクラブで打とうとするから、無理が生じるのです。軟らかい砂はバウンス多め、硬い砂はバウンス少なめを使うとかね。あとバンカーショットの練習を日頃しないのが問題です。バンカーのある練習場を見つけて、日頃から砂に馴染んで練習しておけば簡単に打てますよ。

ほかにもドライバーを打つ場合は飛距離にこだわらないこと。220ヤードをバラつかせて打つなら、曲がらない200ヤードを打つクラブを持ちましょう。つい見栄を張って流行りのドライバーを使いがちですが、実はちょっと前の飛ばない古女房的ドライバーのほうが、役立つんじゃないですか。

アマチュアは、パーオンが少ない「寄せワン狙い」のゴルフになるので、アプローチがとても重要になります。下手な人ほどボール代がもったいないからと、長いクラブばかり打って、疲れるパターンが多いです。何ゆえお年寄りのシングルさんが、アプローチばかりするかおわかりになったでしょうか。ここは時間制の練習場を見つけて、アプローチに専念したほうがよろしいと思います。

ゴルフは結局、どこで見栄を張るかが問題となります。新しいギアか、ウェア、飛距離か? いえいえスコアで見栄を張るのが本来の姿ですよ。

オーケー

短いパットはオーケーがあるので打たなくていい。だから1回もカップインせずにラウンドを終える人もいます。それもなんだかな~

10メートル程度

15メートル以上は3パットやむなし。けれど10メートル以内は、ぜひとも2回で入れたい距離。そこをクリアしたらかなりスコアがまとまります

砂に馴染んで

プロの試合では、ふかふかしたバンカーしか打ってないから参考にならない。砂の少ない貧相なバンカーは、バウンスがあると跳ね返ってホームランになりがち

古女房的

新しいクラブが即戦力になるとは限りません。半年ぐらい試行錯誤を重ねて馴染ませないと。案外、昔使ってたクラブが信頼できる

お年寄り

シニアはドライバーのミスを気にしない。その代わり、アプローチで寄せワン狙いをすればカバーできると考える。結果、パーオン狙いする若者より、スコアがまとまる


今月のまとめ

「ラウンドも練習にすればいい」
プロは練習ラウンドをやって、
試合が本当のラウンドになる。
けれどアマチュアには練習ラウンドがない。
だから自分で宣言して、気軽に
練習ラウンドする日を設けるのもありかな。


教える人/木村和久

ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」

月刊ゴルフダイジェスト2024年4月号より