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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.799「スコアにこだわることで、考える能力が養われると私は思います」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

前回のお話はこちら


いまのジュニアゴルファーの上手さにはびっくりしますが、スコアにこだわり過ぎているのが気になります。彼らの多くがプロを目指しているのならなおさら、こだわるべきはスコアではないのではと思うのですが。(匿名希望・40歳・HC1)


競技人口が増えるにつれて競技レベルが上がり、観戦する人も増えて注目度は増して大きく進化発展する──ゴルフを含むメジャーと言われるスポーツの歴史はこのような感じで進んできたのではないでしょうか。

ですから、競技者が増えないとそのスポーツのレベルは向上しないと思うのです。

ゴルフ界を見渡せば、いまは中、高校生はもとより、小学生もが国際競技の舞台でプレーする光景も珍しくなくなってきました。

さまざまな国や地域でゴルフ人口が増加してきたことでそういう時代に来ています。

以前は、プロでも300ヤードを飛ばす選手はそう多くはいませんでした。

ところが昨今、300ヤードの飛距離は珍しいことではなくなってきています。

また、かつては飛ばし屋はスコアメイクが下手などと言われたものですが、いまでは力をセーブして300ヤードに抑えて狙う選手も出てくるようになってきました。


ですから、飛ばしてなおかつグリーン周りの小技が上手いという選手もとても増え、時代もスケールもレベルも大きく変化してきました。

ちなみに、わたしの子どものころは、遊びで木登りする速さを競ったものですが、いまは競技専用の壁を登るボルダリングのような競技がありオリンピック種目になっています。

いまのジュニアにとって、以前と比べ世界は身近なものなのかもしれません。

そういう時代のジュニアゴルファーですから、スコアにこだわるのはむしろ当然のことだと私は考えます。

スコアにこだわらなくては上達もレベルアップもありません。

練習に打ち込み、競技で負けて自分のレベルを知り、弱点に直面して課題を見つけ、再び練習に向かう。

その繰り返しが自分の殻を破って成長する唯一の手段であり、今の自分の位置を示す指標がスコアなのです。

スコアにこだわり過ぎるのは感心しないという考えは「スコアよりもマナーを学ぶのが先決」と言いたいのかもしれません。

ゴルフが上手ければ、後はどうでもいいわけがありません。

実際、ゴルフしか知らずに育った世間知らずのプロも存在します。

しかし、スコアにこだわらないという道が正しいとはわたしには思えません。

反対にスコアという数字やミスをする現実を直視して、1ストロークを縮める工夫を必死で考える、その姿勢こそが大切だと思っています。

そうやって考えに考え、突き詰めて手にしたスコアには、結果として技術的なポイントにとどまらず一緒にラウンドする相手とのコミュニケーションや思いやりなど、ゴルフに必要なすべての要素が含まれ、総合されてくるはずだと私は信じているからです。

問題は、自分が向上できる方法を自分で考えられるかどうかです。

結局は自分のその姿勢に尽きると思います。

確かに、いまの子たちはゴルフがしやすい環境に恵まれているかもしれません。

しかし、ゴルフとはこういうものという固定観念が強すぎるのではないかしら?

気持ちは分からなくはありませんが、時代は流れゆくものです。

むしろ、時代はどんなに変わっても、スコアにこだわることが大事なのは変わりありません。

何もかも時代のせいにしたくはありませんが、マナーを身に付けてからでないとスコアにこだわってはいけないというのはちょっと違うかな、と思いますがいかがでしょうか?

良いスコアで上がれたら楽しい、楽しいひと時を過ごすにはエチケット&マナーも必要となってくるはずです。

ゴルフがもっと楽しくなるように、時代に合わせて柔軟に考えることはとても大切なことだと思います。

「自分で考えて解決できることほど楽しいことはないと思いますよ」

週刊ゴルフダイジェスト2024年1月30日号より

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