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【大人ゴルフの歩き方】Vol.34 シニアからの「倶楽部ライフ」!

スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi


第34講 シニアからの「倶楽部ライフ」!

①ホームコースは自分の家だよね
②シニアメンバーはゆとりが大事


還暦過ぎてメンバー入りの謎

最近シニアになってから、倶楽部メンバーになる人が増えているようです。メリットは何でしょう? どんなライフスタイルか検証してみます。

還暦を過ぎ、あと何年ゴルフができるか? 今更メンバーにと思いますが、各方面から格安会員権が出回り、実は渡りに船状態みたいです。

それはちょうど、団塊世代の引退時期に重なり、出物が多いからです。定年後のシニア層は、時間があるけど小遣いは少ない。ゴルフ場はメンバー不足。なら安く提供しようとなり、お互いの目論見が一致したのです。

シニアの人々はメンバーになると、分別ある大人の振る舞いをし、ピッチマークを修復したり、フェアウェイのディボット跡に砂をかぶせます。ラウンドも手際よく、何回か通えばナビに頼らずとも、距離を把握できるようになります。一方、名物ホールは何回チャレンジしてもパーは取れず。このホールは刻みだと割り切るのも早いのです。

ホームコースのアドバンテージは、同レベルならスコアが2~3有利と言われています。友達を呼び、得意気にコースを説明していると、旧友のビジターにボコボコにされることに。そこは苦笑いですかね。


格安会員権

63歳の時、扶桑CCを24万円のみで買いました。PGMは数十万円からの入会金のみ払い切りタイプが多い。ほか東急のリゾート系で格安の10年期間限定会員権を売っているそうです

ディボット跡

ホームコースだと、ほかの人が開けた穴も率先して修復するから不思議。結果、シニアメンバーは好意的に受け入れられている

刻みだ

南総、鶴舞、扶桑のメンバーでしたが、各コースに必ずパーオンしづらいホールがありましたな。苦手というのかな

説明

コースを説明する人は叩く説。ゴルフあるあるです。過去に自分が何回も叩いているからだよね

夢よもう一度、生涯現役を目指す

さて新シニアメンバーのライフスタイルは、従来のオヤジメンバーと何が違うでしょうか。ひと言で言えば、あくせくしないことです。

とりあえず、ハンディキャップの取得はします。こつこつスコアを提出し、オフィシャルハンディ22を取得。やった~とメンバーボードを見るや、それがない。今は個人情報保護の観点で、メンバーボードを置かない倶楽部もあるとか。ちょっと張り合いがないなあ。

メンバーのメリットは週末料金の安さです。しかも平日ふらっとひとりで行っても、メンバーが少なく組み合わせが成立しません。それからもっぱら週末のメンバータイムを活用です。週末手ぶらで行き、メンバーロッカーに預けているクラブを出して、ラウンド開始。

みんな倶楽部を愛している者同士、妙な連帯感、親近感が湧きます。いつしか顔なじみが増え、コースにいけば挨拶しまくり状態に。なんかやっと自分のホームコースって自覚がしてきました。

せっかくメンバーになったので競技に出てみようと、エントリーしたのは新ペリアで計算する懇親競技でした。おっかなびっくり出場してみると、みんなのんびりしたメンバーばかりで、ホッとしました。

そしていよいよ月例杯に申し込み。ハンディキャップは22で、しかもBクラスはレギュラーティーから打てるじゃないですか。結果は3位入賞、いっきにハンディが3つも上がり19に。これから精を出して、競技に励むと思うでしょう。それが違うんですな。いくら頑張ってもシングルにはなれないのは、若い頃に体験して十分懲りています。 

その後は懇親会競技を中心に、ふらっと遊びに行くことに。周りを見ると決して競わず、のんびりメンバーライフを楽しむメンバーの多いこと。シニアのゴルフ界では、スコアの高度経済成長は終焉したのです。あとは何歳までゴルフが出来るか? 自分自身の限界に挑むだけです。

個人情報保護

メンバーボードはあるが、ハンディキャップを表示しない倶楽部が増えている。昔は会員名簿がありメンバーの住所と電話が掲載。これが会員権屋に回り、会員権売りませんかって電話が。すげえ時代だった

週末料金

大衆コースの平日は、メンバーとビジターの料金差がほぼない。だから土日祝日に行ったほうが、メンバーのメリットがある。年会費4万円のコースなら、年5~6回週末に行けば、メンバーとして元が取れる計算になる

挨拶しまくり

顔なじみができるとホームコースに来たという感じがします。薄い付き合いだけど妙に嬉しい。大学デビューの頃を思い出すな

のんびりした

Aクラス競技に参加すると喋ってはいけない雰囲気で、ピリピリしたもんです。懇親競技は楽でいいです

高度経済成長

競技で頑張り、シングルを目指すのは、疲れるのよね。わしらは健康維持のためにゴルフやっているんだから


今月のまとめ

1年に20回ゴルフして、
80歳まで生きたとしてあと20年、
残り400回しかできない。
そんな計算する人は、
わりと長生きすると思う


教える人/木村和久

ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」

月刊ゴルフダイジェスト2024年1月号より