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【ゴルフ野性塾】Vol.1804「グリーンを重く感じる日はスコアがいい」

古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。

前回のお話はこちら

ジュニア
ゴルフ塾を

開いたのは平成5年8月。
九州熊本に開塾した。
熊本市十禅寺町で生れ、中学3年の12月24日夜、夜汽車で熊本を離れる迄、過した生れと育ちの地である。
引っ越しは熊本を離れる迄の間、2度。
その後の引っ越しは多かった。
28歳になった時迄に12度。
28歳と7カ月で結婚したが、5度の引っ越しをして今日。
この24年間は一度の引っ越しもなく落ち着いている。

福岡に多くの友はいない。
福岡に住んではいても国内外の旅が多く、福岡で過す日増えたのはコロナ以降。
28歳迄の12回の引っ越しの内、15歳から22歳迄の引っ越し7回とゆう引っ越しの多さは逃げの生活だったからである。
父は和菓子職人だった。
独立し、熊本市内に4店舗持ったが、経理部長の使い込みと父の友人の銀行保証人倒れで倒産した。
そして、熊本を夜逃げした。

最初の夜逃げ先は兵庫県の尼崎市。
父と母と私は働いた。
父と私はスコップ1本の労働者。母は食堂の皿洗い。
住民票なき者の仕事は少なかった。
食べ物は食パンの耳と黒ずむバナナ、そして硬さの消えたリンゴやイモだった。
それでも家族6人の日々は楽しかった。
中学は2カ月間だけ通った武庫之荘中学。
高校は兵庫県立尼崎北高。

子供ながらの知恵は持っていた。
中学でも高校でも目立たぬ存在を意識して過した。
目立てば住む地がバレ、借金取りが来ると思ったからである。
その怖れが消えたのは父が脳溢血で鬼籍に入った後の事。
父49歳、母45歳、私は19歳、弟幸二17歳、妹和子14歳、弟博12歳だった。
貧しさを恥かしいと思えば、貧しさを嫌悪する気持ち生じると思った。
貧しくとも貧しさの中に楽しさ、目標、夢あれば、貧しさは穏やかに過ぎ去り行くもの。

母は父の事業失敗を責めなかった。経理部長も責めなかった。
「沢山の人間がいるんだもの。使い込みする人がいたって何の不思議もないさ。運が悪かっただけ。不運は幸運として帰って来る。それが人の世だ」
母は楽観主義、気持ちの切り換えの早き人だった。
父存命中、父亡き後もだ。
その母も逝った。
弟2人、妹も逝った。
6人家族の内、残るは私一人。今76歳。

昼食後、練習グリーンで球9コ転がせ。


私とゴルフ語る者はいる。
野性塾大濠公園18人衆。
そして、天神、西新ゴルフセンター、熊本にも私とゴルフ語る者はいる。
進化論塾生もいる。
進化論は私のレッスンビデオを購入し、ビデオ通りの実践が出来なかった人集いてのレッスンの旅であった。

3泊4日の旅、10年間で国内外50回近く続けたが、進化論塾の終りは私の疲れと進化論に費やす時間が取れなくなったからである。
確かに塾生への指導は疲れた。
多い時は一度の3泊4日の旅で20名指導した。
そして前夜祭と終了パーティでの講演。
連載13本の執筆、ジュニア塾生指導、テレビレギュラー番組収録、メジャートーナメント観戦記執筆で忙しい身だったが、過労で2度倒れ、救急車搬送されたがそれだけで過せたは幸運だったと思う。
今は多忙の時は終った。
連載稿3本、テレビ番組1つの穏やかな日々を過す。
18人衆の前、深呼吸一つして語り始めた。

「スタート前の練習グリーン、今日のグリーン、少し重いな、と感じた日、いいスコア出せる時と思う。速いと感じた日のライン読みは緻にして密が要る。緻密だ。細かいライン読みだ。逆に重いと感じた時は粗い読みで打って行ける。
グリーンを重いと感じるか、速いと感じるかは人それぞれの判断なれど、スタート前のグリーンと3番ホール迄のコースグリーンで少し重いと感じれば、ライン読み3割、打つ勇気7割のパッティングが出来ると思う。速いと感じた時はライン読み7割、タッチ合せ3割のパッティングになると思うぞ。この事、世界のメジャー競技の観戦記執筆、そして日本ツアー観戦記執筆の中で優勝者に直接問うて分った事だ。
観戦記はスポニチ新聞、週刊朝日、週刊ゴルフダイジェストに連載していたが、勝利者は皆、少し重く感じると言っていた。それならば速いと感じた時、少し重いとの思い作ればいいのではの考えも出ようが、感覚というもの、右から左、左から右と自在に移せるものじゃあない。在るが儘を大切にすべきと思う。
アンタ方のコースラウンド、間の休憩はあろう。その休憩時間、食事の時間でグリーンの速さへの感覚変ることがあると思う。その時、スコアも変って来る。昼御飯食べた時、練習グリーンで球9コ転がしゃいい。逆目で少し上り傾斜の3メートルを転がす。重いと感じる筈だ。
自分のゴルフを眺めて貰いたい。前半の9番ホール、下り傾斜か、順目のパッティング、打っていなかったかを。その速さへの感覚、残っていれば後半の9ホール、打てなくなっている筈だ。そしてショートの連続。小さなミスなれど、連続はショットへの負荷を生む。人、崩れるは速さへの順応、出来なかった時。
ただ、プロに9ホール終了後の休憩はないから負荷生じる事はない。そこがプロとアマの方のコースラウンドの違いだ。今日のグリーン、少し重いと感じた時のバーディ数は多いと思う。然れど毎日、同じ感覚生じはしない。昨日は昨日、今日は今日、明日は明日だ。
ショット然り。今日の9アイアン、飛距離出ていると感じれば、ドライバーの飛距離伸びる日と思う。9アイアンの倍の飛距離がドライバーの飛距離だ。そんな日は振れてる日と思えばいい。スタート前の練習場、9アイアンの練習は必要。9アイアンはドライバーの飛距離に繋がるからな」

「ミスの原因もそこに在るのでしょうか?」

「ハンディ18のゴルフとハンディ30のゴルフ、同じ人間のゴルフで12ストロークの差在るのは面白いと思う。パターを除く13本の中で9アイアンへの自信、最も強く持つ事出来ればハンディ18のゴルフは出来る。少し重いと感じる感覚、今日の9アイアンは飛んでいるとゆう感覚、いずれも大切なものだ。
10回に1回、その感覚生れればハンディ5。10回に3回生れればプロゴルファー。雑な目安だが、大きく間違っちゃいないと思う。
9アイアンの練習しなさい。スウィング型作るのは6アイアン打つが最適なれど、スコア作るのに最適のクラブは9アイアンと思うぞ」

「どうやって打てばいいのでしょうか?」

今、私は西新ゴルフセンターでの練習、1時間半で400球打っている。
3ウッド、3番ユーティリティ、6アイアン、9アイアン、ロフト53度のAWウェッジの5本で打つが、最も数打つのは6アイアンと9アイアン。400球中200球打つが、答えはその9アイアンの中にあった。
以下、次週稿。

坂田信弘

昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格

週刊ゴルフダイジェスト2023年11月14日号より

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