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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.785「難易度の高いコースでスコアが出なくても、その経験は必ず後で役立ちます!」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

前回のお話はこちら


毎年10月はクラチャン開催のため、うちのコースはグリーンの速さが12フィート近くありラフの深さもすごいです。普段は90前後で回れるのに、この時期は100を叩いてしまうので嫌な気分になってしまいます。(匿名希望・45歳・HC15)


秋晴れに恵まれるゴルフシーズン。

各ゴルフ場では盛んに公式競技が開催されます。

なかでも、メンバーコースにとって公式競技の最高峰であるクラブ選手権、通称クラチャンは特別なイベントということができます。

毎年一度、倶楽部のナンバーワンを決める競技で、大きな優勝カップとクラブハウス内のボードにその名が刻まれ栄誉が称えられます。

基本的にハンディキャップ上位者に出場が認められていることが多く、競技方法はストロークプレーやマッチプレーなど各倶楽部で異なるみたいです。

約1カ月にわたって予選から決勝まで行われるそうですが、予選を通過した選手により決勝がマッチプレーで行われる倶楽部の場合は、通常ラウンドをするプレーヤーの組をパスして行われることがあります。

読者のみなさんにもそういう機会に遭遇されたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コース側にとって大切な倶楽部競技会であるので、その際は「選手をパスさせていただけるよう」予約を取ったときにゴルフ場側から案内されてあらかじめお願いされるかと思います。

ただ、選手は競技をしているのだから当然というのではなく、追い越す方たちへ、「お先に失礼します」と一言いうのは礼儀として必要なマナーですよね。


ですが、会釈もしないゴルファーもなかにはいるのも事実で、ゴルフの基本はエチケットとマナーなのだということを忘れてはいけませんよね。

フルバックのティーからプレーするプレーヤーが偉い? ということでは当然ないですからね。

クラブ選手権を開催するため、倶楽部側はコース整備に時間をかけて入念に進めてきているはずです。

倶楽部の顔を決めるにあたりふさわしい舞台を用意したい、そう考えるのも当然でしょう。

コースセッティングにおいて難度を上げる基本は『ラフを伸ばす』『グリーンを速く硬くする』です。

これをすることで基本的には難しくできます。

コース側は難しくセッティングすることで、ゴルフ場の威厳を保ち、プレーヤーの技量を育てることができると考えられています。

クラチャンを競うような高いレベルのゴルファーなら、クラチャンを開催する時期の厳しめなセッティングでもなんとか太刀打ちできるかと思いますが、アベレージゴルファーにはかなり厳しいかと思います。

あなたは、たまたま日曜日のクラチャン競技とラウンドが重なり、厳しいセッティングに頭を抱えてしまったということですね。やさしくていいスコアが出るコースのほうが楽しいのもわかりますが、どうでしょうか?

難易度の高いコースに挑戦してみるのも経験としてはいかがでしょうか?

難しいセッティングで歯が立たなかったとしたら、それは仕方がありませんが、通常のラウンドでは経験できない難しいセッティング下でラウンドできたことはプラスにとらえられるのでは。

今まで経験したことのないタフな条件を勉強できたと思えれば、あなたのゴルフスキルも向上すると思います。

ラフの長さが何センチで、スティンプメーターがどれだけだったか、できればメモして記録しておくと、きっと今後の参考にできると思いますよ。

今はクラチャンの出場資格に達していなくても、練習し経験を積むことで、いつかは挑戦できる日が来るかもしれませんからね。

そんな目標を立てるのも上達への早道だと思います。

考え方を変えるだけで、ゴルフがもっと楽しくなったり、上達の希望が持てるのではないかしら。

「コースコンディションを整える裏方さんの努力は、想像を超える努力があることを知っておいてもらいたいです」

週刊ゴルフダイジェスト2023年10月17日号より

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