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【ゴルフ野性塾】Vol.1799「疲れと予期不安がダフリを生む」

古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。

前回のお話はこちら

今日も晴れ。
福岡の気温は

この5日間で秋になった。
昨日も今日も雲厚き空。東の山の稜線が雲で隠れている。
飛行機が北から南へ福岡市内を突っ切って来るが、飛行機飛び過ぎる音は聞えない。
窓を完全に閉め切って冷房入れっ放しの日々、まだ続いているから当り前と言えば当り前か。
我が家の窓は二重ガラス。
開け閉めは重たいが保安を考えれば二重窓がいい。
長男雅樹は兵庫県西宮市で過す日が増えた。
大手前大学ゴルフ部員の指導、今が勝負時と言っていた。福岡で過す日はひと月で1週間位か。
我が身も女房も日々、変りなく過しております。どこから探し出して来るのか、今朝も洗濯機を2回、回していた。

利き腕の指3本を詰めて握れ。

50歳を過ぎた頃からアイアンが当たらなくなってきました。ダフリとトップを繰り返す感じで、パーオンできるホールが少なくなりました。ドライバーは、飛距離も方向性もそれほど変わっていないと思いますが、2打目以降がミスばかりです。塾長、なんとかなりませんか。(宮城県・山崎優一・56歳・ゴルフ歴30年・HC12)


右腕と左腕の調和がズレ始めていると思う。
調和はバランスと言い換えてもいいが、利き腕とそうでない腕の動きのバランスが変って来てると推察する。
自分ではこれ迄通りの同じ感覚で打っているつもりでもスウィング中、どこかの力の入れ様変れば調和力も変る。
ゴルフはその変化に自覚が必要。ゴルフ以外の他のスポーツにも自覚は要るがゴルフ程ではない。
プロであってもアマであってもズレは生じる。その調和のズレ、生じた時の為に練習場の打席、5球に1球、力の入れ処、そしてスウィングリズムを変えて打って来た経験を私は持つ。

ゴルフ始めて3年過ぎた時の事である。
私がゴルフ始めてプロテストに通る迄の期間は3年と11カ月。
練習ラウンド、妙にダフる日があった。自分ではいつも通りのスウィングで打ってるつもりなれど、ダフった。
ゴルフ始めた24歳の時から今日迄、変らぬもの一つある。
ミスには右飛び、左飛び、ダフリかトップ、そしてテンプラの5つあるが、私のミスはダフり打ちが一番多かった。
私の研修生生活3年と11カ月、プロ生活48年の中、ダフリとの付き合いが一番長かった。その付き合いは今も続いている。

今、いい球打つ練習はしていません。ミス球打たぬ練習に徹するが、それでもミスは出ます。
ダフリです。
油断すると7球に1球出ている。
私は集中力は重量を持つと考えて来た。重い集中力で打てばミス球は出難くなる。
重い集中力とはミスを想定せず、いい球打つ意識も持たず、何も考えず、何も想わずの気持ちで目の前の球に向う時に生じる気持ちの平穏さなれど、我が身、凡にして愚であるがゆえに7球打って7球、ミスの気配なしの球叩きは難しい事だ。
ただ、諦める気はない。
7球打って7球、ミスなき球を打つ気持ちは持つ。

一昨日の9月19日、1時間30分で450球打った。
私は毎夜、西新ゴルフセンターの4番打席で球を打つ。
1階の練習場打席に入り、左へと移動すれば一番奥の打席から4番目の打席が私に用意されている打席である。
1階も2階も28打席あると記憶するが、4番打席のすぐ奥は貸ロッカールーム。ロッカーナンバー60番が私のロッカーであり、何かと便利じゃある。
ロッカーの中に入れてあるのはグローブ5枚、そして3番ユーティリティ、6アイアン、9アイアンと53度のウェッジだけ。
飲み物の自動販売機もボール貸出機も歩いて10歩以内に在り、これ以上の便利さはないとの想い強く持っている。

私が練習始めるのは午後7時前後なれど、私が打ち始めると見学する方が4人5人と集う。
その中の1人か2人は私が400球から450球打つ球数を確認するが為の方と思うが、私は早打ちのリズムで休憩せずに100球から150球打って行くので彼等と会話する事はない。
休む時は打席後方の椅子に座り、ペットボトルの麦茶を3口飲んで俯いた姿勢で呼吸を整え、次の練習に入る。
一番球数多く打つクラブは6アイアン。その次が3番ユーティリティと9アイアンが大体同じ球数。53度のウェッジは練習最初に10球打つだけ。練習の最後は6アイアンで30球、9アイアンで30球打って終りだ。

今年2月から練習を始めたが、トップ時の左腕が伸びて来た。
トップ時の左手甲の張りも強まった。それでもミス球は出る。
ダフリが多い。
その時のスウィング、右腕と左腕、そして両の膝の動きに異和生じている。
集中力は体の動きの調和を作ると思うが、集中力薄まれば異和の発生だ。
400球続けてミス球打たぬ集中の力、私には無い。
私は7球、同じ集中の力で打つを練習時の基本姿勢としているが、7球全部、同じ集中力で打つのは難しい。
7球中、最初の1球を一番強い集中力で打ち始め、2球目3球目と少しずつ集中の力、薄まって行くか、最後の7球目に、集中の力、一番強まる練習をするかだが、経験上、1球目への集中一番強くした時がミス球の発生率は高かった。
そしていい球目指している訳ではないが、いい球出る確率は最後の7球目を一番強き集中力、重い集中で打った時が高かった。
ただ、コースラウンドでは異なる結果が出た。
1番か10番ホールのティーショット、一番強き集中で打った時の方がスコア良し、気分良し、ミスショットの出ない18ホールのラウンドが出来ていたのです。

結論を申す。
今年の2月から現在迄、福岡を離れた時以外は西新ゴルフセンター4番打席で一日350球前後の球を打って来たが、練習場とコースラウンドの球叩きは違う結果を生んでいた。
貴兄に勧める。
300球打とうが400球打とうが練習サイクルは7球と定めて貰いたい。
そのサイクルで打てば450球打つのも苦痛ではないと思う。
そして、最初の1球に一番の集中で向えばいいのです。
然れば練習場とコースラウンド時の気持ちの在り様、繋がるのではなかろうか。
練習場とコースラウンド時の気持ちの乖離はミス球を生む。
私は己を知るが為に集中力の強さ変えて球を打つが、それはプロゴルファーであるが故に出来る事。
貴兄はコースラウンドと同じ気持ちで練習場の打席に立つべきと思う。
1番ホールのショットはその日一日の自信を生む。
重き集中は練習場の打席で作られるものじゃある。7球打つ時の最初の1球に宿る集中だ。

そして、ダフリ阻止、アドレスで出来る。
膝をほんの少し曲げて立て。
右手が利き腕ならば右手の人指し指と中指と薬指の間隔短くした指3本の詰めのグリップで打てばいい。
練習場の打席、ダフリは疲れを覚えた時に出た。コースラウンドでもそうだった。
疲れは指と指の間を広げる。
予期不安もプレッシャーもそうだ。
疲れを覚えたら利き腕の人指し指と中指と薬指を詰めての握りを勧める。
信じて努力せよ。貴兄に必要なのはそこだと思う。
信じるは未来を生む。
私がジュニア塾生、進化論塾生、大手前大学ゴルフ部員指導の中で強く想い続けて来たものです。
以上――。

坂田信弘

昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格

週刊ゴルフダイジェスト2023年10月10日号より

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