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【林家正蔵の曇りのち晴れ】Vol.295「コロナでジッとツアー観戦の巻」

KEYWORD 林家正蔵

最近のニュースはバスケットボールやラグビーのW杯などの話題で持ち切りでしたね。そんななか、ニュースでもほとんど扱われないコロナにとうとう感染してしまったんです。5日間ほど静養していたのですがその際、久々にじっくりTVでツアーを観戦しました。やっぱり女子ツアーは華やかで惹かれますよね。僕もあれくらい飛ばしたいな……。

前回のお話はこちら

まさかの“今”コロナに感染してしまう

用心はしていたのだが、とうとう先月感染してしまった。

会食、打ち上げ、飲み会のお誘いをなるべくご遠慮いただき、仕事場からは直帰。手洗い、うがい、これは「密」だなと判断するとすぐマスク着用。よく食べてよく寝ていたのに感染ルートがまるでわからない。

寄席からの帰り道、のどと鼻の奥がチクチクと痛み出したのが始まりであった。帰宅後、入浴、夕食まではよかったが、ニュースウォッチナインのスポーツコーナーあたりから「ぞくりぞくり」と悪寒が体中を駆け巡る。この悪寒なるものは、たまらない不快感で、痛いというのともかゆいというのとも違い、体内からモゾモゾと神経、内臓、筋肉をくすぐるように体中を這い回る感覚であった。まさに名の通りの「悪い感じ」だ。

体温計を取り出して測ってみて驚いた。38.6℃。毎朝、体重、血圧、体温はチェックしているのだが、その日の朝は35.8℃だったのですごい発熱である。

薬局で購入した抗体キットでは陰性だったので「まぁ風邪かなー」と家族に言っていたら「すぐに発熱外来に行って検査してきて」と強い口調でたしなめられた。

「もしコロナだったら高齢の母もいるし、家族全員大変なことになるのよ」と。たまたま運がよく、近くの医院にてPCR検査を受けることができた。

しかし、驚くことに次から次へと患者さんがやってきては検査を受けている。ニュースではコロナはもうあまり取り上げられず、台風、猛暑、バスケットに甲子園ばかりが世の中を騒がせているものの、コロナはいまだに収まっていないと実感した。

防護服の先生がいらして長い綿棒で鼻の奥をぐりぐりする。先生の「ちょっと痛いですよ」との言葉通り。いや、ちょっとどころか相当痛かった。「すぐに結果は出ますから」と待つこと5分。「コロナ陽性です」。なるほど。キットのラインも太く濃く陽性を示していた。薬局で飲み薬をもらい5日間の自宅待機となった。


お盆の寄席も申し訳なくキャンセル三昧

寄席はお盆興行の最中。しかもトリの高座なのに穴を開けてしまう自分に恥じる。すぐ事務局に連絡して代演のほうをお願いする。どうやらコロナ感染の芸人さんも多いと聞く。ご一緒していた芸人さんに迷惑をかけていないか申し訳ない気持ちでいっぱいだ。幸い同じ出番の演者は無事だったのでひと安心する。

主治医いわく「5日間自宅静養して熱が下がったらそれ以降は通常の生活に戻ってください」とのこと。服用する薬は赤くて大きいカプセル。毒々しいルビーのようなえげつない色をした大粒で、薬剤師からは「必ず一粒ずつ飲んでください。まとめて飲むとのどにつまり大変な目にあいますから」とくぎを刺される。確かにあまりにもカプセルとして大きいので、たっぷりの水で流し込む。ゴクリ、ゴクリと飲み干す。

次の日には、38.6℃が37℃ぐらいに下がってきたが、のどがヒリヒリ、悪寒の野郎が体中を這い回る。しかし食欲はあり、部屋の前の朝、昼、晩の家内特製の家庭製病人食はペロリと平らげる。リクエストすれば、3日前にはナポリタンまで作ってくれた。窓の向こうは夏の日差し。蝉に交じって夕暮れにはコオロギまでも鳴き始めた。

いい機会に女子ツアーをじっくり観戦

4日目には、高熱が嘘のように落ち着き平熱に戻る。病状がつらいときはテレビの音さえうるさかったので一切見ていなかったものの、ニュース以外では体調がよくなるとゴルフ中継ばかりを見ていた。こんなにじっくりとゴルフ番組を長時間見ることもなかったので、すごく楽しく観戦ができた。

気が付いたのだが、やっぱり男子よりも女子プロの中継は面白い。男子ツアーもいいですよ。ひいきのプロが調子が悪くても新人やベテラン、生き生きとプレーをしているとついつい声を出してのテレビ観戦。でもやっぱり女子のツアーが多くなる。

別におじさんはスケベな気持ちで見ているわけではない。ドライバーやアイアンの距離が男子の場合は参考にならないが、小柄な女子プロの場合、もしかしたらその距離だったらおじさんだって飛ばせるかもと思ってしまうからだ。実際は無理ですよ。ドライバーで270ヤードとか7Iで160ヤードなんて。60歳を過ぎれば無理。でもむなしいが夢を見させてくれる。

そしてウェアが可愛くておしゃれ。加えてキャップの後ろから出ているポニーテールに胸キュン。いかんいかん。結局鼻の下が伸びている自分に気がつく。

まぁゴルファー諸氏、コロナにはまだまだご用心くだされ。

スケベでないと 言いつつもTV越しに 鼻の下を伸ばす

月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より