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ハンドファーストの「ファースト」って“first”? “fast”?【ゴルフ“和製英語”辞典】

普段当たり前のように使っているゴルフ用語は、実は日本独自の「和製英語」であるケースも少なくない。意外と知らない”和製ゴルフ英語”をご紹介!

ハンドファースト

ゴルフのスウィング、とくにアイアンショットでは、手元がヘッドよりも先行した「ハンドファースト」の状態でインパクトを迎えるのが理想と言われる。手元が先行することで、インパクトで若干ロフトが立ち、ボールを強く押し込むことができる。

ゴルフのレッスンでは3本の指に入るほどの頻出単語で、昔から当たり前のように用いられているが、よくよく単語を分解してみると、あれ? と思う人もいるだろう。

まず「ファースト」が「first」なのか「fast」なのかという疑問が生じる。おそらくは、「レディファースト」(ladies first)と同じニュアンスで、「手元を先に」という意味を持たせた和製英語なのだろうが、手元側を「早く」動かしてくる、という意味で、「fast」から来ているのではないかという人もいる。現に、同じく和製英語で「ハンドレイト」という言葉があり、こちらは手元がヘッドよりも「遅れた」状態でインパクトを迎えるという意味から、fastに対してlateが充てられていると考えられる。

順番としては、レディファーストから「ハンドファースト(first)」が連想され、「ファースト」という音から「fast」(早い)が連想され、それの反対語としてハンドレイトという言葉が生まれた、という感じがするが、真偽のほどは定かではない。

いずれにせよ、ハンドファースト(first)でもハンドファスト(fast)でも英語では通じず、完全なる和製英語。

英語では、日本でいうハンドファーストを単刀直入に表す単語はなく、「get the hands ahead of the ball」「keep the hands forward」といった表現となる。

英語では「前へ」「前方に」といった客観的な位置関係を表す単語が使われているのに対し、日本語(和製英語)では「先に」「早く」といった主観的な意味合いの単語が使われているのも面白い。もしかしたら、これが「手打ち」という悪癖を生む遠因になっているのかもしれないが……。