【大人ゴルフの歩き方】Vol.31 さらば! ホールインワン
スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi
第31講 さらば! ホールインワン
①ホールインワンはまぐれです
②35年ゴルフやって未だ達成せず
ホールインワンパーティはいずこに?
昔からアマチュアゴルファーには、生涯をかけて達成すべき3つの夢があると言われてきました。それは何かというと
①ホールインワン
②クラブチャンピオン
③エージシュート
の3つとなります。けれど時代の推移でしょうか。今そんな3大ドリームを口にする人は少ないというか、知らない若者が増えています。なんでそうなったのか?
現実にそぐわないのです。セルフプレー全盛の今、ホールインワンの証明は難しいものとなりました。だから保険金が下りて、盛大なパーティをやる風習は、過去の遺物となったんですね。
だいぶ前ですが、知り合いがホールインワンを達成しパーティに招待されました。そこでは一族郎党子どもまで呼び、田舎の披露宴みたいでした。知り合いもほとんどおらず。無料招待でも全く楽しくないのです。
ホールインワン保険は、保険会社の戦略だったのかも。しょせんまぐれで入ったショットです。パーティをするほどのことでしょうか。
●ホールインワン
アマチュアはまぐれでしか達成できない。イマドキの言葉でいうとガチャ。過去35年間、5000回以上、パー3ホールで打ちましたが、未だガチャ来ませんね
●セルフプレー
セルフプレーでも倶楽部メンバーの同伴者、あるいは支配人の証明があれば保険が下りることも。倶楽部メンバーだと植樹しろと言われてお金がかかることも
●パーティ
ホールインワンパーティほどつまらないものはない。タダで飲み食いさせるから、自慢話を延々聞けという儀式
●戦略
月1000円掛けても年に12000円、30年で36万円、う~ん保険かけるなら、月1000円のつみたてNISAやったほうが効率的かもね
ゴルフの新3大ドリームを提案する
それでは令和時代にふさわしい3大ドリームを提案しましょう。
①ホールインワンの祝い方。個人的にはホールインワン保険は10年前に解約済み。セルフプレーはその証明が難しく、保険金は下りづらいです。
今ホールインワンを達成したら、スマホで写真を撮ってSNSにアップし、同伴者からお祝いをしてもらう。それで十分じゃないですか。あと打ち上げでご馳走してもらうとかね。そんなもんですよ。
どうせ保険をかけるなら、今はビギナー増加でボールトラブル&事故が多いのでゴルフ傷害保険でしょう。こっちが今後の本命保険ですね。
②クラブチャンピンは確かに男の夢ですが、現実的ではありません。まずシングル以上の腕前がないとエントリーや予選突破すらできません。
実行不可能なことを願っても仕方ないのです。そこでハンディ20ぐらいから参加できる理事長杯を狙いましょう。多くのメンバーさんが、これを目指し日夜切磋琢磨しています。それでも年にひとりしか達成者はいません。あとは月例杯など、とにかく競技で優勝することを目指しましょう。
あるいは新ペリアで開催されるオープンコンペでも結構。なんでもいいから優勝してトロフィを貰えばいいんですよ。
③エージシュートは、自分の年齢と同じかそれ以下のスコアを出すこと。アマチュアの場合、70歳以降で達成の可能性があります。現実的には80台前半の年齢で、80台前半のスコアを出すことですかね。しかし、その年齢でゴルフができるなら、スコアはどうでも良くないですか? 日本人男性の平均寿命が81歳で、体が自由に動かせる健康寿命が73歳と言われています。つまり平均だと73歳ぐらいから、ゴルフがやりづらくなるのです。だから80歳過ぎてゴルフができるのは、健康で、そこそこお金があり、一緒に行くゴルフ仲間もいるってことです。もうそれだけで人生大満足じゃないですか。
●SNS
友達でもよく見かけます。たいがいカップの中にボールが入ってる写真をUPし、大騒ぎしてますけど
●ゴルフ傷害保険
傷害保険のオプションでホールインワン保険が付いてることが多い。今はビギナーが多いので被害者と加害者の両方になる可能性はあります。入ってて損はないです
●理事長杯
俗に言うプレジデントカップ。鶴舞CCの場合予選ラウンドしてベスト32人を選出。それからハンディ制のマッチプレー。2回戦まで行ったかな。大きな試合に出ている感じがして、凄く楽しかった
●トロフィ
トロフィってもらうと嬉しいよね。特にデカイと凄く見える。今となっては、その多くのコンペが解散しているのが悲しい
●人生大満足
80歳過ぎてゴルフ場で倒れても、好きなことをやって倒れたのだから本望かもね。ピンピンコロリは家族に迷惑かけないからね
今月のまとめ
昔、75歳ぐらいの先輩がゴルフの
引退ラウンドパーティを開いたことがあり、
それもなかなかよろしいかなと。
元気なうちに生前葬をかねて、
みんなに会っておくという考え、
素敵じゃないですか
教える人/木村和久
ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」
月刊ゴルフダイジェスト2023年10月号より
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