「カジュアル化は賛成だが…」ゴルファーのウェア問題、どう考える?【ニッポンゴルフ実態調査】
日本のゴルファーの実態や実情をアンケート調査によって明らかにする「ニッポンゴルフ実態調査」。今回は、カジュアル化が進む「ラウンド中の服装」についてゴルファーの意見を聞いてみた。
近年、ゴルフウェアのカジュアル化が進み、一見すると普段着と変わらないようなウェアも「ゴルフウェア」として販売されている。
一方で、大半のゴルフ場には「ドレスコード」が存在し、来場時だけでなく、ラウンド中も着用するウェアには決まりが設けられている。
ゴルフはスポーツである以上、動きやすい服装が優先されるべきだが、あまりだらしない服装や露出の多い格好は考えもの。
そこで今回は、ウェブサイト「Myゴルフダイジェスト」上で、ラウンド中の服装に関するアンケートを実施。ゴルファーのウェアに対する考え方を調査した。
Q1. ラウンド中の服装、どこまでOK?
ゴルフのトップスといえば、「襟付きのポロシャツ」が王道だが、近年「モックネック」と呼ばれるジャンルが流行している。タートルネックほどではないが、襟部分に高さがあるもので、Tシャツよりも品が良く見え、広い意味で「襟付きのシャツ」といえるため、ゴルフ場でも違和感なく着用されている。
またボトムスでは、「ジョガーパンツ」が流行中。もともとはジョギング用のパンツから派生し、街着でも広く着用されているが、着心地がよく動きやすいことから、今やゴルフでも多くのメーカーから販売されている。
こうしたカジュアルな服装の流行を、ゴルファーはどのように考えているのか。シンプルに「あり」か「なし」かで回答してもらった。
結果は上のグラフの通り。やはりモックネックは、プロの間でも着用され、今や老若男女を問わずゴルフ場でよく見かけるだけあり、「あり」という回答が93.8%を占めた。ジョガーパンツは許容度が若干落ちるものの、77.1%が「あり」。だらしないとされる「シャツの裾出し」も、77.5%が「あり」を選択。丈が長いものでなければ気にならず、夏場などは熱がこもらないことでむしろ望ましいという意見もあった。
一方で、Tシャツに関しては83.3%が「なし」。ジーンズに至っては94.2%が「なし」と回答。なんでもあり、というわけではなく、ある一定の節度は保つべき、という考え方が根底にあるようだ。
Q2. ウェアのカジュアル化、賛成? 反対?
こうしたゴルフウェアのカジュアル化の風潮に対し、賛成派、反対派、それぞれの意見を聞いた。
まず、カジュアル化の流れに関しては、賛成が72.9%、反対が5.4%と賛成派が圧倒的。
賛成派の主な意見は以下の通り。
「気楽にゴルフを楽しみたい」
「もっとお洒落を楽しみたいから」
「スポーツにおいてルールやマナーの古き良き文化を守るのは大いに賛成だが、服装の強制については反対。ゴルフはただでさえ決まりごとが多い印象なので、服装くらい自由にしないと競技人口が減って退化してしまう」
「ゴルフウェアは高い。普段着が使えればコスパがいい」
「スポーツなので動きやすさ重視でいい」
「プロゴルファーもカジュアルなウェアを着用しているのにアマチュアはドレスコートを守らないといけないのはおかしい」
「コースの格式に合わせてカジュアル化すれば、若い人や初心者でも行きやすくなる」
お洒落を楽しみたい、という意見に加え、ドレスコードの存在がゴルフの敷居を高くしている原因のひとつという意見が多く見られた。
一方、反対派の主な意見としては……
「ゴルフは他の来場者へ不快な思いをさせてはいけないというのが大前提にあると思うので、度を過ぎたカジュアル化には反対」
「マナーの悪化に繋がる」
「あくまでスポーツウェアとしての品位は保つべき。スポーツにはユニフォームが存在し、それをなくしてしまったら“紳士のスポーツ”としての範疇がなくなってしまう」
「なんでもありになると服装以外のルールが守れなくなる可能性がある」
「ゴルフは非日常を感じるものでありたい」
など、ゴルフというスポーツの品位・品格を損なわないために、ある程度の制限が必要だとする意見が多かった。
過度なカジュアル化は自制の精神を低下させる?
「どちらともいえない」と回答した人からは、コースの格式や雰囲気による、という声が多かった。
「コースや倶楽部によって雰囲気や規則はあって良いと思う。そのクラブやコースにあったドレスコードを周知して、独特の雰囲気を楽しめる余裕があれば良いと思う」
また、なかにはゴルフの根本精神から次のような意見を述べる人も。
「ルールは緩めると、度を越す人が必ず出てくるので安易に緩めるべきではありません。しかし、シャツの裾をしまうのは今の日本の夏の気候からすると合理的ではありません。なので、ドレスコードの見直しはあっても、必ずしもカジュアル化の方向ではないと考えます。ゴルフは自らがプレーヤーであると同時に審判でもあり、自制のスポーツです。下手すればカジュアル化は自制の精神を低下させ、ルールにも甘くなってしまい、スポーツとしての価値を損ないかねません。ファッションについても同様に自制的であることが望ましいと考えます」
ゴルフは野球やサッカーのようなチームスポーツや、武道などしきたりを重んじる競技に比べれば、ウェアの自由度は格段に高いということもできる。それだけに、ゴルフ場という場所でプレーをするうえで、ふさわしいと思う格好をどう選択するか、各人の常識やセンスが問われる部分でもある。
初心者にとっては「難しい」と感じる点でもあるが、ウェア選びに悩んだら、まずはプロや周りのゴルフ仲間のなかで、「カッコいい!」と思う人の着こなしを参考にしてみるのが良いかもしれない。
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