スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST／Shinichi Hoshi

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第27講　急がば習え! 自己流ゴルフの限界

①自己流はスウィングが変だよね
②習ったゴルフはコスパが最高

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自己流ゴルフのなれの果て

全国300万人のへっぽこゴルファーの皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。テレビなどに頻繁に登場する、美人女子トップアマの綺麗なフォームを見てオ～ビューティフル、あ～俺も若いとき、レッスンをしっかり受けておけばよかったなと感じるときはないですか?

ゴルフ歴25年のオヤジは、下手の固め打ち打法免許皆伝、安定したフェード（本当はスライス）で、90台前半のスコアを出しまくりです。

けれど理論を全く知らずに、見よう見まねで覚えた猿真似スウィングだったので、スランプにめちゃくちゃ弱いのです。ひっかけ、ダフリ、トップ、シャンクと変な球が出るとパニックに陥り、顔面はもはやムンクの叫び、挙げ句、今日は練習だから「スコアをつけないで気楽に回るよ、倉本プロもそう言ってた」と、珍解釈を展開し周囲を煙に巻きます。

そして「次回までに調整しておく」と捨てゼリフを残して帰宅するも、いったいどうやってスランプを脱出していいやら。エッチは練習しなくても上手い（自己評価です）のに、ゴルフはなぜダメなのか。とりあえず、明日練習場に行ってみようと、ふて寝するのでした。

●オ～ビューティフル

若い女性はスクールで学ぶケースが多く、スウィングがとても綺麗。だから若い女性は最初下手でも、上達スピードが早く、オヤジはじきに追い抜かれる

何故オヤジは教わるのが嫌いか?

スランプ脱出計画の開始です。俺もそんなに馬鹿じゃないぞ。今はスマホ録画ができるんだ。それでスウィングを見れば、問題点をあぶり出せると。

そう思い録画を見て仰天、珍妙な動物がひょっとこ踊りをしていました。これを自分と認めるまでに時間がかかりました。そして冷静になり、このスウィングで25年間打っていたのか。恥の多い人生でした、生まれて来てすみませんと、太宰治の気持ちがよくわかったのです。ほんまかいな。

さあスウィング矯正を始めようとクラブを振ろうとしたら、周りの人間はへんてこスウィングを見てあざけり笑っている、そんな妄想がわき立ち、ボールが打てなくなりました。名づけて「ひょっとこイップス」。

これは困った、 どうしたものか。暗澹たる気持ちで周囲を見回すや、壁に「レッスンプロのワンポイントレッスン20分3000円」のポスターを発見。わらをもすがる思いで、申し込むことに。

すると現れたのは、茶髪ロンゲの松崎しげるみたいなレッスンプロで、ポロシャツに乳首が浮き立っています。挨拶をしてから2～3球打ってみます。するとこれは重症だ、ワンポイントじゃ無理だよ。どうだ半年ほど通ってみないかと言われる始末。どこがワンポイントなんじゃ。

そこを粘って問題点を聞くと「スウェイだ、トップが浅い、手を使い過ぎ、体重移動がゼロ、あとヘッドアップ!」。もういい、アマチュアゴルファー失格の烙印を押され、半べそになりながら帰って来ました。

もう二度とゴルフなんかやるもんか。絶望の淵に立たされたとき、ふと目に留まったのが、病気になった人のセカンドオピニオン記事でした。そうか1回のレッスンで懲りてはいけないのだ。それからネットで調べて、若くて物腰の柔らかそうな女性プロに教わり、「左足体重でもボールは当たりますよ」と優しく指導されます。そこに相性の合う人なら、素直になれる自分がいたのでした。さあ、反撃の狼煙をあげるぞ～。

●通ってみないか

教えるほうもたった1回、20分3000円で上手くなられては商売あがったり。長期で通っていただかないと。全身脱毛と一緒ですねん。その気持ち、分からないでもない

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今月のまとめ

自己流のゴルフは、何百時間と
何百万円を費やしてこのざまですねん。
恥を忍んで誰かに教われば、
あっという間に素敵な
アマチュアゴルファー一丁上がり
今からでも遅くないぞ～

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月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より